管理人はだれ！？

2015年5月22日「金曜日」更新の日記

住宅を巡る環境は4拍子揃っているから、モデルハウスやモデルルームにはお客がやってくる。事実、2010年の大型連休の住宅展示場来場者数は、ほとんどのところで大幅に増加、住宅展示場協議会の調査でも、５月の全国の住宅展示場への来場者組数は前年に比べて1割以上の増加を記録している。積極的なキャンペーンを実施した展示場のなかには、2倍に増えたところもあるほどだ。そうでなくても、ほとんどの住宅メーカーの営業貴任者が前年比で数％から十数％の増加としている。間違いなく客足は戻りつつある。しかし、その実態をみると、見学には来ても、簡単に契約に踏み切れないでためらっている人たちがほとんど。その人たちをいかに上手にキャッチして、契約書にはんこをつかせるか、住宅メーカーや販売会社は必死の思いで販売活動を展開しているが、その熱意もなかなか消費者に伝わらないのが現実のようだ。なぜなのか。理由は簡単。2007年、2008年のミニバブルとも呼ばれる価格上昇時に比べると、かなり買いやすくなっているとはいっても、まだまだ平均的な会社員からすれば、価格相場が高いことに変わりはないというのが第一の理由だ。先に触れたように、プチプラ物件が増え、比較的高い物件でも、売れ残り物件では大幅な値引きが続いていて、買いやすい環境になっているのは間違いない。後に詳しく触れるが、プチプライスのひとつの代表であるアウトレットマンションは、再販物件だから、各種の調査上は新築マンションとしてカウントされない。また、パワービルダーによる格安の建売住宅についても、急速に存在感を増しているとはいえ、まだ市場全体からみれば価格構成に決定的な影響を与えるには至っていない。消費者からみれば、まだまだ住宅は高いというイメージが残っている。したがって、「まだ下がるのではないか」「いま買ってソンしないか」という気持ちが働き、ためらいが出てくる。第二に、景気の先行き不透明感が強く、ほんとうに買って大丈夫なのかどうか、ほとんどの人たちが勇気をもって踏み出せない状況にある。さらに、第三には、それでも蛮勇をふるって買ったとしても、わが国の住宅に対する信頼感が低く、持家を取得しても、生活の豊かさを実感しにくいのではないかと感じている人たちが増えているという問題もありそうだ。しかも、ライフスタイルなどの変化のなかで、住宅に対する考え方、価値観も大きく変化しており、それが住宅取得意欲にも影響しているのではないかという問題もあるのではないだろうか。

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