管理人はだれ！？

2015年5月30日「土曜日」更新の日記

銀行から資金を断たれ、前年度まで黒字決算だった企業が、資金難から倒産するケースが相次ぎ、"突然死"ともいわれるケースが続出した。2008年秋のリーマンショック以降、一段と市場が冷え込んだこともあり、その翌年の2009年に分譲マンション分野では大手といってもいい企業の突然死が相次いだ。2009年以降の住宅・不動産業界の大型倒産の事例を整理しておいた。このうち穴吹工務店は、「サーパス」シリーズのマンションで知られる業界大手。不動産経済研究所のランキングによれば、2007年の全国事業主別発売戸数が5037戸で業界トップ。長年不動のトップの座を続けてきた大京からトップの座を奪った企業として注目を集めたほどの企業だった。業績不振から2008年は3位に後退したものの、倒産した2009年でも5位を維持している。紛れもない業界大手の倒産だ。また、ここにはないが、事業主別発売戸数で長くベスト10を維持してきたコスモスイニシアも、2009年に債務超過に陥り、ＡＤＲ（裁判外紛争解決手続き）と呼ばれる手法で事業の継続を図っている。実質的には倒産と同様の状態で、大和（ウスエ業などの支援を受けて再生への道を模索している状態だ。たしかに厳しい経済環境とはいえ、業界の大手、それも数年前にはトップだった企業が倒産するといった業界はほかに見当たらない。この業界の環境の厳しさ、また資産的背景などの底の浅さを反映している。数値的にもその傾向は明確。Tの「全国企業倒産状況」によると、2009年の負債総額1000万円以上の企業倒産は、1万5480件。うち不動産業界は596件で、件数だけでみれば4％弱に過ぎない。しかし、不動産業界の負債総額は約1兆7670億円。これは全業界合計の約6兆9301億円の25％を超え、製造業の約1兆1705億円、金融・保険業の約9563億円などと比べても断然のトップとなっている。実際のところ、住宅情報専門誌や不動産関連ポータルサイトの新築マンション分譲予定の2009年から2010年にかけて分譲会社の顔ぶれは様変わりしている。中堅・中小クラスの社名がめっきり少なくなり、特に東京23区をはじめ大都市圏の中心部やその周辺エリアで新規分譲を行っているのは、M不動産レジデンシャルやS不動産、M地所、T不動産、N不動産などの大手不動産のほかは、ごく限られた企業にとどまっている。しかし、そうした厳しい環境のなかでも、実は安定的に業績を伸ばしている企業群がある。それが、一戸建て分野では大量供給によるコストダウンによって低価格路線を追求しているパワービルダーと呼ばれる企業群であり、マンション分野では、アウトレットマンションや未完成物件の買取などによって、相場より格段に安いマンションを供給している企業群であり、さらにもともと新築に比べて価格の安い中古住宅市場で実績を伸ばしている企業群などがそうだ。なぜ安くできるのか、その詳細は次章に譲るとして、ここではそうした各社の業績がいかに伸長しているのか、主要な企業の動きをみておこう。

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