『建築条件付き住宅』
2016年7月29日「金曜日」更新の日記
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- 最近「建築条件付き住宅」という住宅の分譲が目立っています。そしてこのような形で住まいを建てた人たちから欠陥建築の被害が数多く出ています。「建築条件付き」というのは、土地を購入する際に「購入後一定期限内に分譲業者（または分譲業者が指定する業者）が建物を建てる」ことを条件とする方式です。建売住宅と違って「できあい」でなく、「注文住宅」同様の住み手の希望を入れた住宅が手に入る、そうした印象を受けることがこの方式の魅力であることはまちがいありません。しかし、「住み手の希望を入れた住宅」がつくれるはずなのに、どうしてこの方式で建てた住宅に苦情が多く出てくるのでしょうか。最近、この「建築条件付き」方式が増えたのは、バブル崩壊後土地の価格が下がり、土地の分譲だけでは儲けが出ない、そこで土地を分譲したら必ず建築をすることによって儲けを生み出そう、業者側のそうしたねらいがあって、この方式がちょっとした流行になっているのです。このように、「建築条件付き住宅」はそもそも建て主の希望する住宅を建てるためのシステムでも、利益を守るための方式でもないのです。買い手の希望を入れると言いながら、実際には間取りを業者の用意したいくつかの選択肢から選ばせたり（これらのなかのどれかしか選べませんなどと言われる）、工法も部材も建て主に内容をよく理解させないまま安上がりなものに切りつめてしまったりするケースが非常に多いのです。結局、建て主の希望にぴったりあうものにならないだけでなく、施工業者の利益に沿うようにされてしまい、手抜き工事と欠陥を発生させやすい住宅になってしまうのです。もちろん、全部が全部このようだというわけではありませんが、できれば避けたい方式です。ただし、土地がとても気に入っているなど何らかのメリットがあって、どうしてもこの土地以外はないということもあるかもしれません。そんな場合には次の点を分譲業者と交渉してみましょう。・「建築条件」を外せないか。・設計・監理については買い手側が選任したい。分譲業者のほうにどうしても土地を売りたい事情があって、こうした条件が成立した例も実際にあります。高価な買い物ですから買い手にとってできるだけ有利な条件になるようにねばり強く交渉しましょう。ヘタをすれば悪条件を抱き合わされることにもなりかねないので、遠慮は無用です。どんどん条件を言って交渉しましょう。
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