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【米国の「既存住宅」流通市場の大きさ】

2016年9月12日「月曜日」更新の日記

2016-09-12の日記のIMAGE
二〇〇三年の米国の既存住宅流通総戸数は、七〇〇万戸に達する。今までの住宅産業界の常識は、「米国の中古住宅流通戸数は五〇〇万戸」というものであった。確かにかつて一戸建住宅に限った二次住宅市場流通戸数は約五〇〇万戸であったが、近年既存の一戸建住宅の流通戸数は急速に増加し、また、それに一戸建以外(連棟建や共同建)の既存住宅の流通が約一〇〇万戸あるので、それらを合計した既存住宅総流通戸数は七〇〇万戸ということになる。米国では近年、持ち家住宅建設戸数が年約一二〇万戸(およその推計)に対して、その五、六倍はどの二次住宅流通市場があるのに対して、日本では中古住宅流通市場は年間二〇~三〇万戸とされており、年間持ち家住宅建設戸数約七〇万戸に対して三~四割であるに過ぎない。 新築住宅の戸数に対する倍数で見ると、米国の二次住宅流通市場は日本の一〇倍以上の巨大な規模をもっている。「米国に学び日本でも二次住宅債券市場を創設すべきである」との意見をもつ日米の専門家にこの様子を紹介したところ、後日「日本の二次住宅流通市場がほぼ皆無に近いことを知って衝撃を受けた。とても二次住宅債券流通市場創設どころの話ではない」との印象を漏らしたとのことである。ところで、この指標の比較は正確ではない。なぜなら、米国の既存住宅流通戸数は毎年、全米不動産業協会(National Association of Realtors)から公表されているが、日本の中古住宅流通戸数に関する公的および民間の統計数字は公表されていないからである。これは、二次住宅流通市場の透明性とも関係があるのではないかと懸念しているが、二次住宅流通市場の透明さもまた重要であることについては後で述べる。

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