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【最近の米国の住宅開発のトレンド】

2016年9月13日「火曜日」更新の日記

2016-09-13の日記のIMAGE
米国の最近の住宅開発の特徴はゲーテッドコミュニティ(gated community)であると、日本では一般的に理解されているようである。文字通り住宅地を塀で囲み、数箇所に進入を規制するゲートを設け、高級住宅地で経済的にゆとりのあるものでは警備員を常駐させ、そうでないものは監視カメラや自動機械制御で有資格者のみに進入を許している。その発想の元は、もちろん治安維持であるが、その背後には、そこに住む住民が「自分は成功者である」ことを誇示したいという意識があると指摘する者は多い。開発事業を行ううえで、ゲートを設けることで、購入者への大きな訴求効果が期待できる。コロラド州デンバーでインタビューした大手住宅地管理業者の幹部は、ゲーテッドコミュニティが治安維持に大きな効果があるという確かな証拠はないことを認めたうえで、「購入者自身が安全であると認識すると言うことが重要なのである」と表明した。 セキュリティはビジネスになるのであり、ゲーテッドコミュニティはそのわかりやすい表現方法なのである。住宅を塀とゲートで囲み、その中で治安を維持し、さらに美しい景観を強力な維持管理(米国人はmanagementという表現を使う。この英語のニュアンスを一つの日本語で訳すことは難しい)の仕組みで経営することによって住環境が守られる。個々の住宅の外観(エクステリア)は厳しく制限され、勝手な建て替えや、さらには限られた色以外の壁の塗り替えというリフォーム(米国ではremodelingという)は許されない。住まいの快適さを実現し、頻繁に起こる可能性のある二次流通市場での取引き(現在居住している住宅の売却)での高値を実現するために、常に高水準の維持やリフォームが行われる。住宅は一戸単位では十分な価値をもつことはできず、優れた住環境が整備されていて、初めて住むに値する価値をもつとするのが、米国人の常識である。そのためには、住宅が頻繁に建て変わっていては住環境の維持は難しい。住宅地は全体の調和をとって美しく設計されていて、住宅の建て替えをせず、そのままにしておきたいと思うように造られている。

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