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部屋を借りる人の数はこの先も減り続ける

2016年11月1日「火曜日」更新の日記

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日本の人口は2004年をピークに減少に向かっています。そのこと自体は、多くの方がご存知でしょう。しかし、その減少のスピードまで把握している人はあまり多くないようです。その証拠に、「2050年の日本の人口は、約9500万人になると予想されているんですよ」という事実を大家さんに伝えると、「え? そんなに少ないんですか?」と驚かれる方も珍しくありません。国土交通省がまとめた2050年までの人口予測です。それによれば、日本の総人口は2004年をピークに、今後50年間で1950年頃の水準に戻っていくとされています。具体的には、2004年に1億2784万人だった日本の人口は、2030年に1億1522万人、2050年に9515万人となり、年を追うごとに減少していきます。この単位は千年単位で見てもきわめて急激な変化で、経済をはじめとした多方面に大きなインパクトを与えるのは必至です。それは、不動産賃貸業も例外ではありません。しかも、今述べた数字は、「中位推計」という、各種のデータが現在のペースのまま推移した場合の予測であり、今よりも人口減少のスピードが速まると仮定した「低位推計」では、さらに少ない数字が示されています。 日本では、持ち家に住む人と賃貸物件に住む人の割合が半々だといわれています。単純に考えても、人口が減れば、それだけ賃貸物件に住む人の数も減るのですから、この事実だけを見ても、日本の賃貸マーケットはすでに縮小に向かっていることがわかります。人口が減るという話をすると、海外からの移民が増えるから問題はないという人がいます。確かに、在日外国人のデータを調べると、1991年の122万人から、2009年には219万人へと、この20年間で倍増しています。しかし、2011年3月11日の東日本大震災後、海外から日本に来ていた人たちの多くが帰国したように、外国人の賃貸需要は日本人に比べると不安定です。それに、今後、外国人が数万人ずつ増えていくとしても、日本の人口減のスピードに比べたら微々たる割合でしかありません。政府の政策がガラリと変わり、移民を続々と受け入れるようになれば、事態は変わるかもしれませんが、そうなる根拠はどこにもありませんし、そんな不確実な未来予測のもとに、ビジネスのプランを立てることは、あまりにも危険です。部屋を借りる人は、毎年、減り続ける。これからのマンション経営は、そうなることを前提としながら、事業を運営していく必要があります。その現実から目を背け、これまでと同じ考えに固執すれば、事態は深刻になる一方です。

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