管理人はだれ！？

2016年12月9日「金曜日」更新の日記

私たちは「地価が高い」「地価が低い」という表現を日常的に用います。そこで暗黙の前提となっているのは、「1坪いくら」という上地の価格があって当然という考え方です。しかし、この感覚は日本に特有とまではいわないまでも、欧米先進諸国と比較するとかなり異例です。地面に対する執着というのは、東アジアで強く見られる傾向のように思われます。では、世界的には土地の価格というのはどのように決まっているのでしょうか。【「土地の価格」という感覚は異例】実は、欧米には「土地の価格」という慨念はあまりありません。欧米に存在するのは、あくまでも「不動産の価格」です。上地、特に更地の価格を求めるには、不動産の価格からこれから建てられるであろう建物など造作物の価格を引いたものと考えるのです。ですから、ホテルやオフィスビルといった土地付建物の売買に際して、建物と上地とを別々の不動産と考える習慣はあまりありません。これは、上地の所有権を評価しないという意味ではありません。たとえば、借地の土に建っている建物は「借地権付建物」として、上地付建物とは価値が異なります｡土地を所有していると、地代を払わなくてもよく、また、建物を壊して再発することも自由ですから、建物が同じであれば、上地の使用権原(=土地を使用できる理由)は借地権よりも所有権の確かに、日本でもずいぶん変わってきているのは事実です。大都市の大型ビルなどの取引では、まず「不動産価格」ありきであって、土地がいくら、建物がいくらというのは、後付けで適当に決める場合も多く見られます。したがって、読者の方々も「まず上地の値段ありき」という発想をいったん捨てることが大切なのです。

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