管理人はだれ！？

2016年12月22日「木曜日」更新の日記

ところが、「ウマい話にはウラがある」というのが世の常です。残念ながら、競売物件もその例に漏れません。バブル崩壊で不良債権が溢れ、本格的に競売が始まった初期の頃は、入札者を全員、同じ会場に集め、オークション方式で落札者を決めていました。すると、入札会場に一目でその筋とわかる黒スーツ、黒サングラスの人たちがやってきて、格安物件に応札した素人に対し、「お兄ちゃん、火遊びはいい加減にしときな」とお説教をするようになりました。これでは、怖くてとても入札なんかできません。そこで裁判所は、郵送での入札を認めるようにして、この問題を解決しました。もうひとつ、競売物件の購入資金も問題になりました。競売物件を入札するためには、あらかじめ入札価格の20％を裁判所に納めなくてはなりません。4000万円で物件を入札するなら、800万円の保証金が必要になるということです(落札できなかった場合、もちろん、この保証金は返してもらえます)。落札したのに残額を払えなかった場合は、権利を放棄したと見なされて、この保証金は没収されます。ところで当初、競売物件を購入する際に、それを担保として銀行や住宅金融公庫から融資を受けることができませんでした。つまり、800万円の保証金で4000万円の競売物件を落札した人は、期日までに残りの3200万円をキャッシュで支払わなくては800万円の保証金を失ってしまうことになるのです。そのため実際に競売に参加できるのは、不動産業者か一部の富裕な個人投資家にかぎられていました。この問題も、競売物件にも銀行や公庫の住宅ローンが使えるようになって、かなり改善しました。

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