管理人はだれ！？

2017年2月22日「水曜日」更新の日記

地価や税金が高くなったといった賃料増額の条件がそろえば、貸主は地代家賃の増額を請求できるのですが、この増額請求は必ず内容証明郵便（配達証明付）でやってください。よくみられることですが、借主のところへ直接出向いて「賃料を上げますので、よろしくお願いします」などと挨拶しても、大して法律的な意味はありません。こうした口頭での値上げ伝達などは、イザ争いとなったとき借主が。聞いていません"といえば一巻の終わりです。この点、内容証明なら動かぬ証拠として残ります。それよりポイントは、増額請求は相手方にその旨を伝えた時点で「賃料増加」の効果が生じ形成権）、貸主は増加した賃料を請求できるのです。それにかかわらず借主が従来のままの賃料を支払ったときは、それは賃料の一部を支払ったに過ぎないのです（ここで借主は供託で対抗してきます）。こんなときは家賃通帳などに（ンを押さず、別途に受取証を発行しておきます。こんな状況が長く続けば、滞納家賃はかなりの額になりますから、借主の債務不履行を理由として、賃貸借契約を解除することもできるようになるのです。 家賃の値上げはまず調停で 前にも述べましたが、調停はうまくいけば訴訟より数段まさる簡便な紛争解決の方法です。それに費用も安くなりますから、一石二鳥の手段です。ところで、家賃の値上げは、もともと値上げ額の小さなものです。すなわち、一〇万円の家賃を二〇万円にすることは、現行の借家法を前提とする限りはほとんど家主にとって不可能といってよいでしょう。せいぜい現行賃料の二～三割ほどしか、裁判所は認めてくれないのがふつうです。それほどに利得のない家賃の値上げですが、昨今の物価・税金の上昇やとくに首都圏での土地価格の狂乱による周辺家賃の上昇は、家主の立場をますます苦しくしており、その負担の一部を借家人に"お願い"する家主もたくさんいて、かえって借家人からの苦情もよく見聞するところです。ところが先に述べましたように、ほんの少しの家賃値上げに家主が労力を使い果たすことは感心できない面があるのです。値上げ交渉の仕方には、話合いから裁判までありますが、ここではまず「調停」をおすすめしたいのです。その理由を説明いたしましょう。調停は、当事者双方に、いわぱ専門的知識をもつ第三者（調停委員）が加わってすすめられます。裁判とちがって費用もほとんどかかりません。それに紛争の当事者のような主観や感情を抜きにして解決策を合理的に話し合ってくれます。時間も裁判ほどはかかりませんし、何よりも当事者双方が互譲の気持ちになるように持っていってくれるのです。これが紛争解決の大きな利点となっています。

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