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建て売りから古民家の梁あらわる

2017年4月5日「水曜日」更新の日記

2017-04-05の日記のIMAGE
 国の住宅政策も2006年施行の住生活基本法によって、量から質を目指すようになった。そもそも、先進国の中で日本ほど中古住宅に対し、閉鎖的な社会はないと、イギリスに行くたび感じていた。平成17年度国土交通白書によると、住宅取り引き全体に占める中古住宅の割合は、アメリカでは76・7%、イギリスは89・4%と、国民の大半が当然のごとく持ち家=中古購入と考えている。それに対し、日本はわずか12・8%と、いぜん新築信仰が根強い。そう話すと、「日本は木造住宅で石の家とはもちが違う」「高温多湿だから仕方ない」と、反発される。だが、家を手入れする回数は、日本よりイギリスの方が圧倒的に多く、家に対する満足度も高い。中古住宅とは手を加えるほどに価値が上がるものだと誰もが信じている。たとえば昭和の中古車も手を入れ、改造するほどビンテージだと価値が上がることを考えると、家も建てっぱなし、住みっぱなしでは風雨に哂され老朽化し、廃屋となるだけだ。それを押しとどめるのは、中古住宅からいかに価値を引き出すかという住み手の力裕一ではないだろうか。珍しく専務の方から「お知らせしたいことがある」と呼び出され、上司を伴い小さな家に出かけた。小さな家は私の描いた図面に則って、店に設置するトイレ、洗面台の下へと、新たに給排水管を切り回していた。位置を確認してくださいという専務に、私も上司も「水回りを増やすって意外に簡単なんですね」と拍子抜けした。敷地15坪という狭小住宅の1階にトイレをもうひとつ追加というプランには、もっと手間がかかるのかと思っていた。「マンションは難しいですが、戸建てはわけないんです。大げさに言う業者もおりますが、管をつないでご指定の場所に持ってきて、あとは器具を付ければいい。シャワーブースの増設も同じく簡単ですよ」「お店でなければ、ここにシャワーを加えるだけで賃貸物件にもなるんですね」上司も興味深く床下の給排水管をのぞき込んでいた。壁や天井の下地作業も少しずつ進行している様子だった。すでに納品されたキッチンユニットはシートで覆われ、玄関周りに貼るタイルやクロスのカタログも積み上がっている。専務は上機嫌で、店にもゆったりしたトイレのスペースが取れそうだし、全て順調ですと言った。「いいですなあ、わが家はマンションですから、リフォームといっても知れている。いいですなあ、昔の一軒家は今の建て売りとは全く違う」いつになくご機嫌である。「私もここに来ると驚くことばかりですよ」含みのある言い方に、何かあるんですか、と問うた。すると専務が笑いをこらえながら、実は見せたいものがあるんです、こちらへどうぞと私たちを2階に招くではないか。「見て驚かないでくださいよ。私もこういうことになるとは予想していませんでしたから」「壁に穴でも開けたんですか?」上司の問いかけには答えず、専務は屋根裏部屋を作る予定の和室を目指す。「見て下さい」彼が堂々と指差す天井を見る。すると、そこは白川郷か飛騨高山か、はたまたコッツウォルズの歴史的コテージかと言わんばかりの野太い原木の梁が、天井の高みに左右に突き刺さるように露出していた。

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次は条件のご紹介です。あなたに適した不動産はありますか?
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ファミリー向けの住宅を探す際には、収納スペースが充実しているか確認しましょう。
人によって譲れない条件は多種多様です。あなたはどちらが良いですか?気持ちよく快適な生活が送れる、陽当り良好の物件を探してみませんか?
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