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客用の寝室を屋根裏に作る

2017年4月7日「金曜日」更新の日記

2017-04-07の日記のIMAGE
 古民家のような梁を見て以来、私はすっかり有頂天になっていた。上司が撮った写真を社内で改めて見ていると、山田一郎君が目ざとく「見せて下さい」とやってきて、写真を見るなり目を見張った。こういうことであれば、ますます僕も参加させて頂かなくてはと、妙なアピールをする。「こういうことって、何だよ」と、そばを通りかかった上司に「カフェを始めるのは僕的にも生涯の夢です。今月は「イベースで編集も進んでいるんですから」と山田君。上司は笑いながら、それなら一度吉祥寺に行ってもいいぞ。但し、現場は冷蔵庫のようだから風邪をひかないようになと、彼の見学を承認した。翌朝、ワイシャツの上に厚いバルキーセーターを着込み、さらにダウンジャケットでダルマのようにぶくぶく膨らんだ山田君が、小さな家にカメラを持ってやってきた。「この辺、学生時代にしょっちゅう来てましたよ。近くに希少本を扱う古本屋があって、僕の行きっけだったんです。いい家じゃないですか、大きすぎず、小さすぎず」彼の思い通りの家だったようで、山田君はとりあえず、玄関を出たり入ったりしながら、この家と付近をくまなくチェックしていた。専務と私は、天井を抜いた2階に作る屋根裏部屋について話し合った。実際に店を始めると、スタッフが泊まりがけで作業することもあるだろう。家族や友人が泊まり込む可能性もある。そんな時のために屋根裏は、ゲスト用寝室にすべきだと思った。よそ行きの顔をした山田君の着ぶくれした格好にぎょっとした専務は、「釘とか木片で怪我しないよう、気を付けてくださいよ」と、ウロウロする彼に言った。「こういう所は慣れているんで」ポーカーフェイスを崩さず、勝手に写真を撮り続ける彼は、施主のように動じることなく窓からの眺望などを確認している。専務は3畳ほどの天井桟敷-屋根裏部屋を作ると約束したものの、いざ工事という段になって難色を示していた。「大工がおっかなくて作業できないと言うんです。屋根襲に部屋を作ろうにも、向こう側は和室の天井じゃないですか。突き板なんでぶかぶかしちゃって人が乗れないんです。乗れるとしたら、廊下の上くらいでしょうか。それを無視して端っこまで歩いていったら、足を踏み外して下に落っこちてしまいます」彼は何とか私に諦めてもらいたい様子だが、せっかくの芸術的な梁を活かした階段と屋根裏部屋を作ろうと思っていた私は、あきらめがつかない。「では、廊下の上の部分だけでも小部屋にできないでしょうか」小さな家の天井を取ったのだ。拡大した空間を最大限活かしたい。ゲストが泊まりに来た時に屋根裏に清潔な寝床があれば、楽しみも広がる。「うーん……何とかなりますかねえ。大人がひとり、横になれるくらいのスペースが欲しいんですよねえ」専務はハシゴをかけてえ1つと、えーつとと言いながら、寸法をあたる。その様子を山田君は、下から一眼レフでバシャバシャ撮影した。

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