管理人はだれ！？

2017年4月27日「木曜日」更新の日記

　ヨドバシさんの頑張りのおかげで室内の主要な造作とフローリング貼りはひとまず終了し、私の目指す家のフォルムがゆっくりと現れてきた。いよいよ、建て売りから「Ｔｈｅ　Ｓｍａｌｌ　Ｈｏｕｓｅ」に生まれ変わる外構工事が始まる。中の造りは意外に堅牢で、原木の梁が現れるという特典もついていたにもかかわらず、外観は昔の建て売りそのもの。汚れた白壁に亀裂の入ったベランダ。テカテカな茶タイルで囲まれた玄関ドア上部の張り出しには、突然南欧を意識したかのようなオレンジ色の西洋瓦がほとんど地面と垂直に貼り付いている。悪趣味だ。このオレンジ瓦さえなければと、この家にやってくるたび何度苦々しい思いで眺めたことか。店を始めた暁には必ず障害になる。どんなに外観に工夫を凝らし、室内をリフォームしたところで、私が選ぶであろう、天然石のタイル、ハンギングバスケット、深緑色のオーニングなど、どれとも全く相容れない。「瓦の上から白いペンキでも塗るわけにはいきませんか」という私に、陶製の瓦は塗料をはじくから無理だと専務に言われたっきりだ。これがマンションであれば、どんなに陳腐でも現存する外壁は共有部分だと涙をのんであきらめなければならない。だが今回は何でもできる一戸建てだ。総工費３５０万円の予算内で外観をどこまで変えられるのかが、リフォームエ事の大きな課題だった。「ならばいっそ、オレンジ瓦をもぎ取って捨てて下さい」以前、私が提案をした時に専務は、そんなめっそうもない、下地をやり直さなければならなくなると、後ずさりした。たまたまその時は、専務を私に紹介した友人がそこに居合わせ、「できるでしよ、やってあげてよ」と、強く押したため、わかりましたと渋々引き受けてくれたが、その後なしのつぶて。最初の頑張りますという意気込みは、契約して徐々に希薄になった印象は拭えない。これまで通り話し合うほかない。費用はさほどかからないと聞いていたため、予算オーバーという問題でもなさそうだし。気になるのは、専務の対応だ。たまに打ち合わせに来ても常に携帯電話で「取り込み中」と思われる話をしていること。かと思えば、頭を下げて謝っている。常に心ここにあらずなのだ。それでも、おうちショップという、新たな舞台にふさわしい外観を作り出さなくてはリフォームの意味がないと、頭を切り換えた。最終的に外壁は、塗料を厚塗りしたような、凹凸のある質感を出したかった。「それなら珪藻土を塗りましょうか。自然な雰囲気も出るし、目指すコテージ風住宅のイメージにピッタリ合いますから」と、めずらしく専務が良い提案をしてきた。人気の珪藻土を外壁リフォームに使うのは初めてだったが、その良さは方々で聞いていた。

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