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気になる建築家のレベルは?

2017年8月5日「土曜日」更新の日記

2017-08-05の日記のIMAGE
もっとも、コンペをしても使えないプランばかりがたくさん集まるのではしかたがない。はたして優れた案が本当に上がってくるのかどうかは気になるところだろう。 一定以上の品質がほぼ間違いなく期待できる住宅メーカーに対して、コンペサイトは運営者が個人もしくはベンチャーである場合がほとんどということもあり、きちんとした提案がなされるのだろうかと不安に思うむきもあるにちがいない。  各サイトの過去のコンペ例を見てもらえば一目瞭然だが、結論からいえば、その心配はないといっていい。各サイトに登録されている建築家は500~1500人ほど。 年齢・経歴はまちまちだが、いずれも基本的には1級建築士の資格を有しており、複数のサイトに登録している人も少なくない。それぞれのサイトには登録建築家のプロフィールが掲載されているし、たいてい過去の作品を見ることも可能だ。その是非はともかくとして、登録の際に審査基準を設けているサイトもある。   そもそも建築家がコンペに参加する理由は何か、もちろん、最大の目的は「仕事を得るため」だが、「自分の存在を不特定多数の人にアピールする絶好のチャンス」であるということも大きいようだ。建築家(住宅を中心に手がけている建築家はとくに)は個人で事務所を開設している人が多く、営業専門の担当者を置くことはできない。また、自分で仕事を探そうと思っても、一般の個人に向けてPRする方法はこれまではほとんどなかった。独立して間もない建築家や、実績のとぼしい若手の建築家にとっては、これはとりわけ切実な問題だったのである。 だが、そうした状況の中にコンペサイトが登場した。これなら、登録さえしておけばコネクションがなくても自由に応募できるし、たとえ無名であっても実力さえあれば仕事を受注できる可能性は高い。建築家にとってはビジネスチャンスが大きく広がることを意味するわけだ。仮に採用されなかったとしても、インターネットという不特定多数に向けたメディアに作品が掲載されるので、営業や宣伝活動の一環と考えればそれなりの意味がある。実際に、コンペ応募案を見た人が直接コンタクトをとってくるケースもあるそうだ。建築家はいきおい力が入ることになる。   もうひとつ、「建築家と家を建てよう」という意志をはっきり持っている建て主に出会えることを、コンペサイトのメリットとして挙げる建築家も多い。コンペサイトに申し込んでくる建て主は、家に対してこだわりを持っている人が大部分。多くは住宅メーカーのプランに満足していなかったり、メーカーではむずかしい条件を抱えて いる。それだけに、建築家にとってはやりがいがあり、いわぱ腕の見せどころなのである。また、数あるコンペの中から、自分の個性やアイデアを比較的自由に発揮できるものを選べるのも、建築家にとっては大きな魅力といえる。これは、すでにある程度の実績がある建築家にとっても同様である。   そして何より、建築家はコンペ案という「作品」を、自分の名を掲げて出品するのである。自信がないプランはプライドにかけても出すわけにはいかない。加えて、コンペという性質上、そこには競争原理が働く。採用されなければ「タダ働き」になるので、生半可なものは出せない状況になっているのである。 建築家たちがいかにコンペに力を入れているかは、プランの体裁を見ても一目瞭然だ。スタート当初こそ鉛筆で手書きの簡単な図面も少なくなかったそうだが、参加者が増え、全体的なレベルも上がってきた現在では、CGや模型を使った、緻密で初心者にもイメージしやすいプレゼンテーションが主体。なかには、そのまま工事に入れるのではと思えるほど精密な図面も珍しくない。あるサイトの運営者は「ちょっとレベルが上がりすぎた」と語るほどである。  以上のようなことから考えれば、有名建築家が参加することはないかもしれないが、「名より実」を取るならば、質に対する不安はないといえる。実際にコンペサイトで家を建てた人に聞いても、「まったく問題はない」と異口同音に語っている。"

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