管理人はだれ！？

2017年9月29日「金曜日」更新の日記

安全性とは異なりますが、メンテナンス性にも留意したいと思います。特に温水式の場合は床下に温水パイプが敷設されるわけですが、仮に、このパイプにトラブルが発生すると、その対策はかなりたいへんなことになりかねません。最悪の場合、床をすべて剥がしての大工事が求められることになります。床工事で大工さんがうっかぴ床に釘を打って床暖房のパイプに孔をあけてしまった、という話は各地で耳にします。 　この種の経験を経て、今日では継ぎ目のない、つまりシームレスの架橋ポリエチレン管を使うことが多くなっています。架橋ポリエチレンというのは、本東、鎖状の直線的に結合しているポリエチレンが、平面的あるいは立体的に結合したもので、その化学的な耐久性は抜群とされており、水道管にも使われるようになってきています。耐寒性はマイナス70℃、耐熱性は90℃と一応されており、床暖房に使うにはもってこいの素材と言えるかもしれません。ただ、このような新素材の本当の耐久性は、歴史の判断が待たれるところで、架橋ポリエチレンについても、数10年は大丈夫だろうといわれますが、耐用年数が実証されているわけではありません。 　架橋ポリエチレンを水道管に採用する際は、ほとんどの場合、さや管ヘッダーエ法（細めの本管を太めのさや管が取り巻く二重管構造）となっています。この工法であれば、水が通る中心の配管にトラブルが発生しても、本管だけを抜き取って交換できるので、万一の場合でも比較的安心できます。しかし、熱を効率よく床に伝える必要がある床暖房の場合、架橋ポリエチレンの熱伝導率は銅と比較すると数100分の1にとどまることから、ただでさえ熱効率が落ちるので二重管方式は採用できず、すべて1本物となっているため、万一のトラブルの際にはやはり大がかりな床工事が必要となります。 　また、パイプに水あかが詰まるトラブルも指摘されています。架橋ポリエチレンは銅管と比べると水あかが溜まりにくいとされていますが、それでも、水道水に含まれる成分、また不凍液の成分が化学変化を起こして、長期使用の間にヘドロ状になってパイプを詰まらせるトラブルが報告されています。この場合、できるだけ太いパイプ、できれば内径が10mm以上のものを使用すれば異物が詰まる恐れは少なくなりますが、現実には施工上の問題もあり、５mm程度の細めのパイプが施工される場合も多いので、詰まりの懸念が人きくなります。ジェット水流などを活用した洗浄方法がないわけではありませんが、いずれにせよ長く使川するためには、メンテナンス費用は覚悟しなければなりません。

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