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雨、地震、手抜きが恐い造成地

2018年1月27日「土曜日」更新の日記

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 建売住宅を買う場合、すでに建物が建っているため、どうしても上物だけに目を奪われがちです。チェックするのも広さ、間取り、外観、インテリア、設備という程度で、それで十分チェックしたつもりになっている人がほとんどです。が、それでは一番大切なことが抜け落ちているのです。言うまでもないことですが、建物というのは、土地の上に建つものです。その土地がしっかりしていなくては、どんな立派な建物も、砂上の楼閣、となってしまいます。建物がどんな土地の上に建っているかをチェックすることは、建物をチェックする以上に大切な問題と言えます。  郊外に建つ建売住宅の多くは、大規模開発にしろ、ミニ開発にしろ、宅地造成した土地に建っているものがほとんどです。その造成地の前身が、何であったのかをまずチェックしなければなりません。山林だったのか、畑だったのか、田んぼだったのか、それとも沼地だったのか。  田んぼや沼地を埋め立てたものは、要注意です。湿地を造成したものだけに、入れた土の種類、造成の仕方が悪かったりすると、湿気がひどく、床上、畳までがかびるだけでなく、建物の基礎である土台が根元から腐ってきて、家は数年もしないうちに使いものにならなくなることもあります。土地が造成される前、何であったかを知るには大規模造成地の場合は、閉鎖登記簿謄本(過去の事情を示す登記簿の謄本)を、とくにとって調べてみることも必要です。ここまでしなくても、土地に古くから住んでいる人や、事情に詳しい人に聞いてみることです。が、もし田んぼや沼地であっても、地盤がしっかり固められ、安定していて、宅地造成がきちんとされていれば安心です。これを知るには、素人には無理ですから、造成業者から仕様書を出させ、それを造成や構造に詳しい専門家にみてもらいながら、造成の様子を分析してもらうことです。沼地や湿地帯の場合、表面に山砂などを入れて固めても、地盤そのものが不安定なので、建ててしばらくすると地盤沈下を起こすことがしばしばあります。地盤沈下を起こせば、建物が傾き、ひずみを生じ、どうにもならなくなります。軟弱な地盤の場合、歩いてみてみると、足裏に伝わる感触がフワフワとかポコポコといったもので、固いしっかりした地盤独得の張りつめた感じがないものです。  なお、造成がよくできているか、できていないかを見る素人にもできる簡単な方法としては、次のような方法があります。その物件の前にある道路を端まで歩いて、道路の曲がり角に立ち、反対側の曲がり角までを、ずっと見渡してみるのです。そして、道路がちゃんとまっすぐに走っていれば、その造成工事は一応、合格と言えます。  山林など傾斜地を造成した土地なども、しっかりした造成がなされてないと危険です。台風や集中豪雨などで、傾斜地に建っていた住宅が倒壊したり、押し流されたり、という被害があとを絶ちません。こうした場合の造成状況を調べてみますと、コンクリート擁壁の底幅の厚さが、2メートル以上必要なのに50センチメートルしかなかったり、骨材に用いた砂がきれいでなく、コンクリートとしての材質も不良で、排水用割栗石も水抜き穴もほとんど設けられていなかった・・・など明らかに造成に手抜きがあるものが多くみられます。傾斜地を造成した土地には、土砂崩れを防止するための擁壁工事がしてあるのは当然ですが、その内容が問題というわけです。擁壁の厚さや排水口などが、安全基準に合っているかどうかをチェックしなければなりません。擁壁には、鉄筋コンクリートで造ったものやコンクリートブロ。クを積んだものなど、いろいろあります。もっとも多いのがコンクリートブロック造りのものですが、塀や建物に使う厚さ10センチメートルや15センチメートルのブロックではありません。建設大臣が、擁壁用に安全と定めた間知石型のコンクリートブロックを使わなくてはなりません。  切り土であるか盛り土であるかのチェックも素人には難しいので、1級建築士などに一緒に行ってもらうとよいでしょう。  なお、崖崩れなどの被害から宅地を守るために「宅地造成等規制法」という法律があり、そこには市街地では崖のあるところ、郊外では丘陵地帯が規制地となっています。その規制を受けている地域では、宅地造成工事の際、許可を必要としています。  大手業者による大規模開発の場合、この法律にもとづいて工事がされているはずですが、小規模開発、ミニ開発の場合には違反している場合も考えられますので、十分の注意をしてください。

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