こんな営業マンとお付き合いしたい
2018年2月14日「水曜日」更新の日記
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- 家を建てるとき、営業マンにいくら払うことになるかは見積書を見ればわかる。
はっきりしているのは住宅金融公庫への申請費で、借入申込書を書いて施主の口座がある銀 加行へ持参する仕事だ。弁護士も顔負けの料金をとるメーカーもある。
他では営業諸経費という項目のなかに、彼らの人件費が含まれている。
概算で20~30万円というのが標準だ。
家づくりの総額が大きいために目立たぬとはいえ、少ない金額ではない。
しかも、未熟で、生意気で、虫の好かない相手でも、ベテランで感じのよい営業マンでも料金は同じなのだから、人選には吟味したい。また、その権利もあるのだ。
営業マン選びの条件を考えるには、彼らの仕事内容を知る必要がある。
大きく分けて2つのタイプがある。
申し込みから工事着工までを担当するケース。施工は代理店や下請が行ない、その管理はメーカーの工事担当に任される。
もう一方は、営業マンが引渡しまでお客の窓口となる場合で、施工はメーカー直系の下職という形態に多く見られる。
前者のタイプだと、営業マンの職務内容で重要なアイテムは次の通り。
1.敷地の調査
2.平面図(概略)作成
3.見積書作成
4.契約の締結(客に判を押させる)
これらすべてを自分の手ではやらないにしても、地盤調査会社や設計マンにきちんと指示できなければならない。
見積書についても、個々の費目はどういう内容なのか、標準単価との差がどうして生ずるか説明できなければならない。さらに言えば、客にとってトクになるような社内折衝(例えば、施主の要望を企画プラン扱いにすれば、フリープランより安くなる)ができることが望ましい。
契約についても、こちらの要求する特約事項に対し、即座に反応できる知識が不可欠となる。
こうしてみると学生時代に導門の勉強をしている人は別として、20代の若者にはいささか荷の重い仕事といえる。
ましてや生涯1回の家づくりをする客にとっては、頼りない。
考えてみられるがよい。ご自分の息子や部下の年頃の人間に、生涯の大事を任せられますか。
しかも相手は商売、その上あなたに相手をコントロールする知見がないのだ。
では、ベテランの営業マンだったらよいかというと、断言できないのがつらい。40歳を過ぎて家を建ててない営業マンは、前に書いたように論外だが、公私ともに家づくりのプロが相手だと、先方のペースにはまってしまう危険が出てくる。
誠意と根性だけは負けません、という浪花節派よりはましだが、経験をもち出されて説得される懸念もある。
後者のタイプのように、施工期間を含めて付き合う営業マンだと、実際に工事に携る職人をコントロールする能力が必要となる。俗にいうにらみの効くキャラクターかどうか。若くても、甘え上手でマイペースにもち込める人もいようが、ある程度の年の功は不可欠であろう。
ある展示場で女性の店長に会った。50歳は超えておられるだろう。在来工法のメーカーである。
「いい大工さんと設計者をどれだけ押さえているか。お客さまのご希望を何とかして企画プランとして会社に認めさせ、安くあげるかが営業のあるべき姿です」
とおっしやっていた。
ユニークだったのは、同じ展示場の他モデルハウスの建築中の写真をアルバムに収めてあり、各々の欠点をわかりやすく教えてくれたことである。これまで会った営業マンのうち、彼女がナンバーワンだと私は信じている。初対面でわずか20分ほどの時間で、(うるさい)客をこれだけ感心させるのは並大抵ではない。
営業マン選びに正解はない。繰り返しになるが、第一印象と前に述べた質問を駆使して選んでいくしかない。
しいていえば、自分の手足のように動いて欲しいなら、粘り強くご無理ごもっとものタイプを選べはよいし、プロの腕を求めるならキャリア豊富な人を搜すことだ。
いずれにしても、付き合いが深まるにつれて営業マンや会社の姿が見えてくる。申込金を払うまでは後戻りができるわけだ。
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