現場見学でメーカーの力量を知る
2018年2月15日「木曜日」更新の日記
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- まずまずの営業マンが見つかったら、「最近2年間で何軒お世話しましたか?」
と聞こう。
この問いは重要である。理由はあとでわかる。会社の規模にもよるが15軒以下では商売にならぬだろう。実績が1ケ夕なんていうのは、住宅営業としては失格だ。
20から30軒という答えが多いだろう。
相手の成績を知ったところで
「その現場、全部見せてよ」
と頼み込むのである。
相手はぎょっとするかもしれない。モデルハウスでは、近くに建築中の現場がございますので、いつでも御案内します、とすらすら口にしていたのに、
「全部とおっしゃられましても・・・」と口ごもるであろう。
ふつうの流れでいけば、モデルハウスを訪問した後は、建築現場見学会への招待状がくる。
バスで連れて行ってくれる。工場見学と組み合わせるものもある。昼食付きが多い。この見学会、行くなとはいわぬ。実際に自分の目で確かめることは印象に残るものだ。
だが・・・
当たり前ではあるが、客に見せる現場は特別にしつらえた豪邸か、工事が順調に進んでいる所だ。
私の家づくりでは当初、建築中に現場を他の客に見せる約束だった。しかし、上棟前に屋根替りの防水シートがはずれ床がびしょびしょになったため、さすがに営業マン、見込客を連れては来なかったのである。
メーカー側はよく、現場を見て構造のたしかさを実感して下さい、という。
問題は、あなたが招待された現場の基礎や構造が、いくらの予算に対応したものであるかなのだ。
坪単価30万円台の企画タイプと、フリー設計で坪単価50万円の家が同じ基礎、構造だとしたら、その会社の値付けはおかしい。
なまじ自分の目で見てしまうと、その会社のすべての現場が同じ状態だと錯覚する危険がある。
話を戻す。
2年間に扱った現場を全部見たい、との要求は、ヤラセでない、そのメーカーの真の姿を知るためなのだ。全部ということで、うまくいかない現場や不満を抱いている建主と接触できる。
初めに、何軒お世話しましたか、と釘を差しておいたのは、都合の悪いお宅をはずすのを防ぐためである。
営業マンが難色を示したら
「何か、まずいことでもあるの」とピシャリといってやろう。
仮に30軒だとしてもほとんどが同一エリアにあるはず。数軒が遠方にあったとしても、休日を2~3回つぶせば回れる。なにも1軒ごとに上がり込んで話を聞くのではない。入居したばかりのお宅では感想を聞きたいが、あとは、解体中、地縄を張っなところ、基礎工事中、上棟直前、内装工事中などまちまちのはず。外からさっと見れば済む。
最近1年間と指定したのは、このようにいろんなプロセスの家を見学するためである。この方法、営業マンの仕事振りと、そのメーカーの質を同時にチェックできるメリットがある。
一方、最近の家でなく、そのメーカーが昔に建てた家をぜひとも見せてもらわねばならない。
カタログでうたっている耐久性は、いくらデータを提示してあろうと説得力を欠く。風雪に耐えた住宅の姿こそが、技術力の証明なのだ。
しかし、メーカーは乗り気ではない。ある歴史の古いメーカーの営業マンに確かめたら、以前はカタログに古い家の写真をのせていたものの、きたないという理由で削除されてしまったという。
営業マンがたとえ若くても、「おたくで20年以上前に建てた家を、2、3軒見せて下さい」と申し入れよう。
この要求に対応しないメーカーは断固として避けること。会社ができてからまだ日が浅いのなら、もっとも古い家を見せてもらえばよい。
「タイプが古いので、お客様に誤解を与えるかもしれません。現在のものは改良されてますから」などというトークにも耳を貸してはダメだ。
昔の客を実験台に使ったようでは、あなたの家にもその危険があるということになるからだ。
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