契約書・見積書などのヒナ型を検討する
2018年2月16日「金曜日」更新の日記
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- 営業マンの最大の仕事は、いうまでもなく客の注文をとることだ。
ある住宅メーカーの社員募集広告には、営業社員(住宅受注部門)という表現がしてあった。
実態をよく現わしていると思う。
注文は口頭でも成立するのだが、実際上は契約書に判を押す形をとる。
注文を取る立場からすれば、細かい制限事項の書いてある契約書の書類など、契約当日まで伏せておいてさっと判を押させるのがベストである。うるさい特約もつけられずに済む。
しかし、家を頼もうとする側としては、こんな進め方はまずい。
契約書の条文など、その場で読んで理解できる人は少数派であろう。しかも住宅メーカーが作成してくる契約書の内容は、先方にとって有利なものかも知れない。
テレビや新聞で広告している、あんな有名な会社がそんなことするのか?
あなたは、甘い。
業種こそ違うが、会社員時代に世界的企業と契約の交渉をしたことがある。その世界的企業から機械を購入し、他へ販売するという取引だった。
先方が持ってきた契約案には
自分達が作った機械で第3者(お客さん)がケガ等をしても、一切責任を負わない、と書いてあったのだ。
こんな非常識なのは例外だが、契約交渉をするときは案を自分で作った方が有利、というのは常識といえる。
家づくりの契約についてもこの鉄則は当てはまるのだが、現実にはむずかしい。そこで、メーカー選びの段階で、相手の会社が標準と考えている文案を入手しておこうというのだ。「おたくの契約書のひな型を下さい」と要求しよう。
次に入手しておきたいのは、見積書のサンプルである。こちらの希望する間取りなどを話す前に欲しい。
要は、そのメーカーがどういう内訳(費目)で見積っているのかを知るためだ。見秋り依頼をする前に相手の手の内がわかっていると、あとの交渉がしやすくなる。
理想をいえば、営業マンが最近取り扱った家の資料を、個人名と住所だけ墨でつぶしてもらうのがベストといえる。個々の工事内容について金額がわかるからだ。食事でもご馳走したりする価値はある。
次善の策としては、右の形でさらに金額を伏せたサンプルとなる。この場合でも、例えば、カーペットからフローリングに変更すると㎡当たりいくら高くなる、といった明細は消させないようにしたい。
このように頼んでも提出してこない営業マンがいるかもしれない。
そんな不明朗会計の会社は、むろんパス。チラシや口では安く建つような印象を与えているのに、本当の所は高いのだろう。客を見て、同じ仕様でも値段をいじっているのかもしれない。
第3番目は、保証内容の資料である。
10年保証といっても、保証してくれる範囲は限られるし、免責条項(例えば、天災などの場合は責任を負わないといったもの)を知っておくことも重要だ。
10年目に有料メンテナンスをすれば20年保証する、といった会社も出始めている。有料の内訳がはっきりしていないと、今の時点でトクかどうか判断しかねる。
第4に必要なのは工程表のサンプルだ。
工程表とは、地縄張りから引渡しまでの流れを明らかにしたもので、わが家が今どの段階にあるか素人にわかりやすいものであることが望ましい。だから、着工5月中旬、上棟7月末、引渡し9月中旬といったレベルでは工程表とはいえない。
この表がきちんとできてない会社は、引渡しが遅れる危険大といえる。
最後は、工事期間中にメーカーから施主に出している報告書である。1000万円単位の仕事である。どんなレポートをしているのか見せてもらおう。ちゃんとしたフォームで定期的に行なっていないとしたら、そのメーカーの姿勢は疑問といえる。
これら5つのデータを手際よく準備してくれる営業マンは、信頼できる。そのメーカーがどれだけの力をもっているかを調べなければならない。
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