会社概要に売上・利益の額は書いてあるか
2018年2月19日「月曜日」更新の日記
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- ある住宅メーカー(株式は上場されていない)の会社概要には、次のように書いてある。
設立:198×年月
資本金:×億8000万円(△社全額出資)
代表者:代表取締役社長 ××××
従業員数:400名(男312/女88)
平均年齢:34.3歳(男36/女27)
事業内容:住宅の設計、施工、販売および不動産の開発
本社:東京都××区
関連会社:△社
売上高:220億円(93年3月期)
売上高についてはグラフもある。
1989年 295億円
1990年 320億円
2000年 1000億円(目標)
そして、すでに21世紀を作っています、とのキャッチ・フレーズが書かれている。
営業マンの尻を叩くために、社内で遠大な目標を掲げるのは勝手だが、お客に配る資料に取り上げるのはどんなものか。誤解を与えることもあろう。
誤解といえば、グラフのなかには93年3月期の売上が抜けている。書き入れると、
1990年 320億円
1993年 220億円
となり、売上がダウンしていることが一目でわかってしまうからであろう。こんな表現をされると不信感がつのる。
この会社概要の最大の欠点は、利益(税引き又は経常)の記載がないことだ。
一生に一度の買い物をする者にとっては、その会社がツブれないことが大前提である。倒産しないまでも、赤字が続くようでは困る。資本金の額や親会社(△社)のバックがあるという情報も大切だが、肝心の儲けがどれほどなのかわからない。
ま、この会社のように売上が30%も減ると(1990年→1993年)、黒字だった企業でも赤字転落は免れないのがふつうである。利益どころか売上額さえ明らかにしていない会社も存在する。
これまた上場会社を親会社にもつ住宅メーカーだが、役員の氏名、1級建築士・宅地建物取引主任者が何人いるといった項目はあるのに、売上については触れていない。触れたくないのだろう。
重要な項目を記載していなくても、そこがウィーク・ポイントなんだなと見当が付くから、資料を入手する価値は充分にあるのだ。
会社概要のもらい方と読み方のポイントは次の通り。
その1.おたくがどんな会社か知りたいから、業績などがわかる資料を下さい、と頼もう。
ウチはXXグループの名で仕事をしていますから、などと親会社XXの資料を持ってくるところもある。そんな営業マンには、アナタの会社と取り引きするんだからと、その会社自身の案内書も要求しよう。10代のタレントが親の七光りに甘えているのは御愛敬だが、法人である会社がそんな調子では情けない。それに景気が悪くなったりすると、有名大企業の子会社だという理由だけで信頼はできない。というのも、採算の悪い事業を切り捨てたり縮小するのは事業再構築のイロハであるからだ。
その2.会社概要・案内の読み方は、そのメーカーか何を強調したいのかをまずつかもう。宣伝物だと割り切ることだ。ウラ読みとしては、載せてない項目か弱点だといえる。
その3.メーカーが作った資料だけで判断せず、名の知れた出版社が発行しているデータ・バンクの内容と照らし合わせること。
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