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屋根は軽い構造にする

2018年3月11日「日曜日」更新の日記

2018-03-11の日記のIMAGE
 瓦葺き屋根というものは、日本の風土によくとけあった雰囲気や色彩があり、重厚かつ堅牢でもある。しかし、いったん地震が来ると、そのデメリットがさらけ出され、せっかくの美点も致命的な弱点となってしまう。かつての関東大震災のときもそうだったし、今回の阪神・淡路大震災でもまたやっかいな存在として敵役にさせられてしまった。とくに淡路島北淡町における家屋倒壊の最大原因はこの瓦葺き屋根にあった。台風に備えるために、この地区では多くの家が瓦葺き屋根だった。重い屋根は強風には威力を発揮しても、揺れには極めて弱かったのである。  瓦の難点は、野地板(のじいた)に直接打ちつけることができないことである。最近は、ステンレスの針金で縛りつけるようなスタイルのものも出ているが、これも完全な固定はできない。  いちばん問題とされることは、屋根に土を盛って、ここへ瓦を接着していく葺き土瓦という方式である。これは瓦が振動で割れて飛散するということのほかに、屋根の上の土の重量が大きな負荷になる。  瓦葺き屋根には一平方メートル当たりおよそ500キロ近い荷重がかかる。屋根全体の重量としては5トンにも10トンにもなりうるわけである。地震となれば、これが崩れ落ちてくるのだから、命にかかわる人身事故も予想される。  したがって、どうしても瓦をつかいたいという場合には固定方法を再検討する必要がある。専門業者に頼めば、特殊な金具を用いて瓦を留める方法もなくはない。  しかし、将来の地震に備えるためには、この際思い切って、スレート屋根へ切りかえるほうが安い。 これなら、釘で留めることもできるし、屋根全体の重さも大幅に減少する。もっとも瓦葺き屋根のスタイルや構造は地域や時代によってさまざまである。最近の瓦葺き屋根は土に接着するという工法はとらないので軽くなっている。  だが、35、6年以前に建てられた建物、とくに戦災で焼け残った家では、概して重い葺き土式が多い。この構造がきわめて危険なのはハッキリしており、実際、瓦の寿命としても、ちょうどいいころでもある。むろん、いまでも瓦葺き屋根を希望する人はいる。南欧風のスペイン瓦などは人気があ り施工例も少なくない。こういうときは、地震、台風などに対する相応の補強を行わなければならない。いずれにせよ、屋根の重い構造だけは避けたいものである。

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