部屋探しは重要!快適な生活を送る方法!あたらしくらし

トップ > 平成30年3月> 22日

火に気を配るよりまず命!

2018年3月22日「木曜日」更新の日記

2018-03-22の日記のIMAGE
 「グラッときたら、火を消せ」というのが、防災教育の第1条のように言われている。関東大震災からの教訓だろう。ガスが普及していなかった当時、火災の主な原因は薪や炭、コタツの火だった。阪神・淡路大震災では、出火原因の6割は電気・ガスという、神戸大グループの現地訓査結果もある。 ガス管から漏れて室内に入り込んだガスが電気の復旧と同時に発火、あるいはロウソクの火の引火、電気が戻った際の漏電やショート、耐震装置がついていない旧式のストーブが火元になったケースもあるという。1か所から火の手が上がれば、たちまち辺り一面は火の海に包まれる。揺れを感じたら すぐ火を消せというのは当然のことだろう。  しかし、「地震だ、火を消せ!」も時と場合によることはいうまでもない。阪神・淡路大震災の場合は、地鳴り、激しい揺れ、暗闇の中、身動きできず目の前に天井が迫ってきて、ガスの元栓を閉めるどころではなかった、というのが被災者の大方の声である。新幹線の高架橋が壊れるほどの直下型地震である。テレビが目の前を吹っ飛んでいくような激震の中で、火を消せというほうが無理だ。こんなときは「自分にふりかかるものから遠ざかれ、すぐ飛び出すな」である。どんな地震でも立っていられないほどの大きな揺れは1~2分でおさまる。布団でも座布団1枚でもいいから、まず頭を守ることを第一に考え、物陰に身を伏せる。大切なのは何よりも命だ。揺れがおさまってから、なお余裕があれば火を消せばいいのだ。  束京ガスが供給する家庭の九五%には、震度五クラスの揺れを感じると自動的にガスを遮断するマイコン制御装置が設置されている。センサーが地震を感知するとガス供給を停止すべき地域が割り出される「地震時導管網警報システム」もすでに実用化が進んでいる。  阪神・淡路大震災では、マイコン制御装置が作動しなかったと一部でささやかれているが、その元の引き込み管が折れた疑いが強い。石油ストーブも大半は耐震性になっている。揺れているときに危険を犯してまで火を消すより、文明の利器を信用するほうが安全という場合もある。  問題は不運にも火災が発生してしまったときにどう対処するかだ。阪神・淡路大震災の場合、火災を大きくしだ原因の一つに初期消火がうまくいかなかった点が指摘されている。ある研究機関が行った被災者への聞き取り調査でも、火災の発生が多かった割に消火器が使われた形跡はあまりなかったという。たいていの家庭には消火器が設置されているが、台所に置いてあるというケースが少なくない。しかし、一番火の出やすいところに置いたのでは、イザというときに消火器がとり出せない。火元から3メートル以上離れた場所か、家の玄関口ないしは外に置くのが望ましい。

このページの先頭へ