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マジック1本で安否を伝達

2018年3月29日「木曜日」更新の日記

2018-03-29の日記のIMAGE
 阪神・淡路大震災は未明の出来事で、家族全員が1か所に集まっていたことが不幸中の幸いだった。 もし、日中に起きていたら、夫は会社、子供は学校に行っており、家族との連絡をどうとるかでパニックが起きただろう。  電話連絡はとれない、電車はストップ、車は走れないとなったら、連絡のとりようがなくなる。首都圏の場合、1時間や2時間の通勤時間はザラだから、もし、徒歩で自宅に戻ろうとすれば道路が壊れていなかったとしても半日がかりとなる。  私の知人の1人は、阪神・淡路大震災の後、わざわざ日曜に会社に来て自宅まで徒歩で帰ってみたという。地図上では国道4号線をまっすぐに下れば家にたどり着けるが、実際に歩いてみないと道路の状況はわからない。家まで8時間かかったそうだが、これで万一地震が来ても、歩いて帰れるメドが立つたという。この自信は大きい。  共働きで保育園や幼稚園に子供を預けている家庭では、電話や交通網がマヒすることを念頭に置き、どのような手段で迎えにいくかを考えておかなければならない。離れ離れになった家族が落ち合う場所を決めておくのは必須の大原則である。  被害規模が大きくなればなるほど、連絡が途切れた肉親や知人の安否を気遣い、難を免れた当人は自分の無事をなんとか伝えようと必死になる。運よく脱出できたとしても、今度は、自分がどこに避難できたのかを知らせなければならない。しかし、その手段がない。被災地では、特設の臨時電話や、 テレビ、ラジオ、パソコン通信のネットワークが安否情報・生活情報を伝える主要伝達手段となったが、それでも被災直後の混乱の中でフルに機能を発揮するには時間を要した。  その一方で、もっとも原始的ともいえる「張り紙」が意外に優れた情報伝達手段として活躍した点は見逃せない。被災したある主婦が、テレビレポーターのインタビューに答えていた言葉が印象的だった。「小物であったほうがいいと思ったのはマジックインキです」  マジックインキが防災用品になるというのは誰も気がつかなかったと思う。預金通帳や土地の権利書は持ち出しても、マジックインキは思い付かないのが普通だ。  その主婦は、10人目の順番を待ってやっと一本貸してもらえたという。紙はなくても、マジックインキ一本あれば板切れにでも何にでも書ける。家族や親戚・知人への情報伝達手段として、非常持ち出し用品のひとつにぜひ加えておきたい。小さいものだからどこにでも入るはずだ。

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