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緊急用トイレの工夫

2018年3月30日「金曜日」更新の日記

2018-03-30の日記のIMAGE
 阪神・淡路大震災の被災地では、30余万人もの被災者が千数百か所の避難所で不便な生活を強いられた。仮設住宅の建設にも時間がかかり、相当数が長期の避難所暮らしを余儀なくされた。  兵庫県と兵庫県警が合同で組織した「避難所緊急パトロール隊」が、神戸・西宮・芦屋の三市の避難所でもっとも不足しているものを聞き取り調査したとき、常にトップ項目に挙がったのが簡易トイレだった。簡易トイレの設置が進んだ時点でも、汚物処理に関する苦情は絶えず、避難所生活の衛生・精神面でのストレスで体調の不調を訴える人が多かったようだ。トイレを探して、小学校や体育館を駆け回る家族の姿も見られた。  こうした状況は、女性の下着開発のきっかけとなった白木屋の火災のときと似ている。亡くなったある女性は、崩れた家に引き返したところへ柱が倒れ出られなくなってしまった。ほとんど裸同然で逃げ、洋服を探しに戻ったのが命取りになってしまった。こうした急場で女性をいかに救うかのソフトウェアが必要である。とくにトイレの問題は、女性にとってもっとも深刻な悩みである。  建設現場用の簡易トイレなどは比較的安い価格でできる。最近は水洗トイレ式になっているものが多いが、断水では肝心の水が流せない。あるテレビレポーターは、避難所のトイレに一歩足を踏み入れたとたんに絶句してしまった。めまいを起こすほどの異様な光景と悪臭。「とにかくトイレをなんとかしてくれ」という被災者の悲痛な叫びから、それがどんなにひどい状況であるかは、実際に目の当たりにせずとも想像するに難くない。  トイレは、なぜみなが決められた一か所でやらなければならないのか。例えば宇宙では、バキュームがめいめいの宇宙飛行士の汚物を吸い取ってくれる。マリー・アントワネットの時代には、みなリビングで便壷に用をたしていた。女性のスカートには針金が入っており、傘のように膨らんだフレアの中でうまい具合に処理していたらしい。  今日、周りを見渡せば、消臭のチャック付きビニール袋のようなものがいくらでも売られている。 あれを少し応用すれば、使い捨てのビニール製大便器など簡単につくれるはずである。それと併せて、ベビーサークルや男女兼用のフレアスカート状のものを備えておけば、どこでも気軽に用がたせる。 要は、その状態が見えなければいいのである。使用後は、口を締めてポイと捨てる。問題は、その捨て場所と後処理。北海道南西沖地震の際、奥尻島では屎尿を山に捨てたが、コンクリートやアスファルトジャングルの大都市ではそれもままならない。この問題をどう解決するか、行政サイドの理解と協力が不可欠である。

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