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恐ろしい一酸化炭素

2018年4月12日「木曜日」更新の日記

2018-04-12の日記のIMAGE
 先年、北海道のあるハウスメーカーのつくった「文化住宅」という名の住まいで、一酸化炭素中毒事故が起こりました。この住宅は半地下部分に車庫を設け、1、2階の住居部分を一体化したという意味で、「文化」的なつもりだったようです。  寒い冬の朝、ここの居住者の家族が、一酸化炭素中毒のため、病院に運び込まれたのです。原因は、車庫で車のアイドリングをさせたまま長時間放置し、しかも車庫の外扉は閉じ、住まい部分との境のドアは開け放しておいたため、排ガスが住居内に充満したためと分かりました。  ご承知のように、一酸化炭素は無味・無臭のガスですが、猛毒です。化学記号で書くとCOで、炭酸ガス(ニ酸化炭素)CO2と比べて酸素原子が1個少ないだけのことですが、その性質は大違い。体に必要な酸素を運ぶ赤血球の中のヘモグロビンとの結合力が、酸素の200倍から250倍もあるといわれ、わずかな量でも酸素を押しのけてヘモグロビンにくっついてしまいます。血液は文字通り酸欠状態に陥ります。  一酸化炭素は不完全燃焼の結果出てくると学校では習いますが、物を燃やせば多かれ少なかれ必ず出てくるものです。ガスでも(開放型の)ストーブでも、裸火には要注意です。  人体では特に脳へのダメージが恐ろしいものです。脳の細胞はエネルギー消費量がものすごく多く、従って酸素も大量に必要とします。酸素の4分の1は脳で消費するといわれ、その酸素が送られないと、脳は活動を停止します。炭鉱の火災事故で、一酸化炭素のために死亡したり、回復不能の脳障害を起こした人がこれまでにも大勢います。またガス釜が故障したままの小さな浴室で、一酸化炭索中毒のため死亡する事故は、今でも後を絶ちません。  いまシックハウス・シンドロームとして化学物質汚染が取りざたされていますが、VOC(揮発性有機化合物)やHCHO(ホルムアルデヒド)よりも、昔ながらの無機化合物の一酸化炭素が、直ちに命にかかおるという意味で、何より恐ろしいといえるでしょう。

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