管理人はだれ！？

2018年4月15日「日曜日」更新の日記

　2000年から施行された住宅品質確保法（品確法）の要点について、とくに高齢者向けにどのような作り方がしてあれば最高点が取れる。 　住まいの新築に当たって地震や火事に対して丈夫で、耐久性があり、しかも健康に住み続けられるものを造ることは大切です。消費者が前もって、客観的に評価の定まった品質であることを確認できるこの制度は、結構ずくめのように思えます。 　しかし、果たして手放しで喜べるものでしょうか。 　たとえば、比較的若い人が住宅を入手する場合、住まいが始めから高齢者対応にできている必要があるでしょうか。住居の入手に当たっては、多くの人はなけなしのお金の算段をしなければならず、大抵はローンを組まなければなりません。 　当面限られたお金で、最低必要な条件を備えた住まいを入手し、必要に応じて手を加えて行く（増築とか改築とか大掛かりなものとは限りません）というのが一般的です。ただ「必要な手を加える」ことが容易にできるように、前もって造られているということが大切というわけです。 　働き盛りの壮年層でも、20年130年もたてばやがて高齢になり、多かれ少なかれ体に障害を持つようになるわけですから、住まいというのは長い期間で考えなければならないと日ごろ説いているのですが、物事には必要性と順序というものがあります。欧米諸国の住宅ローン制度では、今はその必要がなくても、将来高齢になった場合に、増改築ができるように設計図に示されていなければならないことがよく引き合いに出されます。必要になったときにお金を使えばよいのです。 　この辺りのことが盛り込まれていないのが品確法の欠点です。品確法は新築住宅向けに作られた法律であるため、住み続けた後、増築や改築などで「住まいの性能」が上がっても、「評価制度」の対象にはなりません。 　当然中古住宅は、性能評価の対象外に置かれます。 　イギリスに長く住んだ人の話では、住み手が精魂込めていろいろ手を加えた建物ほど不動産価値が上がって、売るときも高く売れるということです。住まいというものを大事にし、何十年とか何百年とかいう長い時間をかけて育む欧米の国々の考え方は多く学ぶべきものを持っています。

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