管理人はだれ！？

2018年4月20日「金曜日」更新の日記

　高層マンションの居住者の健康問題はさまざまな視点から論じられていますが、高齢者の場合は少々複雑です。 　エレベーターがない4、5階建て中層マンションの4、5階に住む人にとっては、まず階段の上り下りの問題があります。両側に手すりのあるなしも大問題です。階段の昇降が不自由になると、高齢者の足はますます衰え家に閉じこもることになってしまいます。 　エレベーターがあれば足の問題は緩和されますが、それでも慣れないお年寄りには「土」までの距離も遠く、心理的抵抗感は否めません。超高層となればなおさらです。 　年がたつと、高い階の高齢者は次々と出ていってしまい、逆に1、2階は高齢者ばかりという集合住宅も出てきて、地域社会や、保守管理上の問題点となっているものもあります。 　また高齢者向けの壁の手すりの取り付けや、トイレ・浴室の改装は、マンションの改装制限、たとえ可能でも明け渡し時の原状復帰義務の制約があってままならず、3世代そろってこれまでの集合住宅に住み続けることは容易でないようです。 　ただ、集まって住むことの良さは、そこに知り合いができやすいということです。住み慣れた集合住宅や団地では、気の合った近所の友達の家を訪問し合ったりすることでかえって生き生きと過ごしているお年寄りの例もあります。 　一般に高齢者や障害者に優しい建物は、実は妊婦や乳幼児にも優しいという共通点を持っています。これからの住まいはきめ細かな配慮のもと、すべての「ひと」に優しく造られなければなりません。

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