超高層マンション否定論
2018年4月23日「月曜日」更新の日記
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- ニューヨークの110階建ての世界貿易センタービルが、2つともハイジャックされた飛行機の体当たりを受け、ほどなく崩壊し、周囲のビルも時間をおいて次々に崩れ落ちました。何千人もの犠牲者が出たそうで、繰り返し報じられたテレビ映像は、21世紀早々の最大の惨事としてだれの目にも焼き付いたことでしょう。
アメリカ東海岸は地震がないことで有名です。特に・ニューヨークの中心部のマンハッタン島は、島自体が堅固な岩盤でできており、そこに基礎を据えることができますから、摩天楼と呼ばれる超高層ピルを建てるのは容易だと聞いたことがあります。
地震がないというのは、建物が横に揺れる心配がないことですが、話では超高層の貿易センタービルでは、ハリケーン(米国東南部の台風)だけでなく、小型の航空機の衝突のショックや横揺れにも一応は対策を取っていたようです。しかし今回のような大型の、しかも燃料を満載した旅客機の体当たりまでは考慮外だったとしても無理はありません。
高い部分に体当たりを受けたビルが、しばらくたってから下階まで全部崩壊したこと、さらに周辺のいくつかのビルまでが続けざまに崩れ落ちたこと。これは、初め不思議に思われましたが、これらのピルはそれぞれ独立でなく、一体化した地下構造を持っており、駐車場や、地下鉄などの諸施設に利用していたため、共通の地盤を通して衝突のショックが徐々に全体に及んだということです。
大規模な崩壊と火災が重なって、何千人という死者や行方不明者が出たことに心が痛みます。
大変な悲劇が起きたものですが、わたしにとって一つだけ良かったと思う点があります。
それは「高い建物は怖い」という恐怖心を多くの人が抱き、超高層マンションの建設ラッシュにこの事件で多少ブレーキがかかるかもしれないことです。
超高層マンションだけは決して「健康的」とはいえないと、わたしは思っています。飛行機の衝突する危険はほとんど考えなくても良いでしょうが、いくら技術的問題が解決されたといっても超高層マンションは、単なる人間の巣の集合であって、コミュニティーはできにくく、特にお年寄りや子どもにとって健全な生活が保証されにくいからです。
実はこの事件の直前のオランダ、ドイツの「居住福祉」の旅で、高層の集合住宅団地の再開発と92年のアムステルダム郊外団地への飛行機の墜落事件で数十人の被害者を出した現場を見てきたばかりでした。このことはまた別の機会にお話ししましょう。
わたしはあくまで超高層マンション否定論者です。
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