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売却損を出してマイホームの買い換えをした人は?

2018年5月25日「金曜日」更新の日記

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 すでにマイホームをお持ちの皆さんの中には、子どもが成長したので「もう少し広いマイホームに買い換えたい」という人もいるでしょう。  ところが、やっと手に入れたマイホームの資産価値が、あれよあれよという間に1000万円や2000万円目減りしてしまったなんていう話はザラです。マンションの現在の評価額が、住宅ローンの残高を下回るいわゆる「担保割れ」におちいっている数は、首都圏だけでも28万世帯にものぼるといわれています。  でも、今回の住宅ローン控除制度では、マイホームの買い換えで損を出してしまう人も、手厚い優遇措置がとられています。  まず、マイホームを売って新たにマイホームを取得する際に損失が出てしまった場合、これまでどのような優遇措置があったか見てみましょう。  たとえば97年までの売却損のケースなら、譲渡損失をその年のほかの所得から差し引く「損益通算」の制度を利用して、減税を受けることができました。  ただしこの制度は、損失を出したその年1回きりの適用ですから、1000万円、2000万円の損失が出た場合は、大きな減税効果はとても望めませんでした。  そこで98年に、「譲渡損失の繰越控除の特例」という制度が設けられ、平成12年までの譲渡損失については損失が発生した年を含めて損失を4年間差し引くことができるようになりました。  マイホームの買い換えで譲渡損失を出してしまった場合、譲渡の年は従来どおりほかの所得と損益通算で控除を受け、次年以降3年間にわたって残りの損失額を繰り越して控除を受けられるようになったのです。  ところが、この譲渡損失の繰り越し控除制度を利用してしまうと、新たに購入したマイホームの住宅ローン控除は受けることができないという制限がありました。  つまり、マイホームの買い換えで譲渡損失を出しても、繰越控除か住宅ローン控除かどちらか一方を選ばなければならなかったのです。  従来の税制に比べれば、たしかにマイホームの買い換え層にとっては朗報でしたが、実際の譲渡損失額の大きさから見れば、この程度の減税ではやはり動きようがないというのが現実でした。  そしてついに、今回の住宅ローン控除制度によって、この併用が認められるようになったのです。平成11・12年の2年間にかぎり、マイホームを買い換える際の譲渡損失と、新たに買い入れるマイホームのローンの両方について税控除が受けられるようになりました。  しかも今回の改正では、これまで繰越控除の対象が所得税だけだったのが、住民税にまで適用されるようになりました。  では実際に、譲渡損失の繰越控除と住宅ローン控除をどのように併用しながら控除を受けるのか、そのしくみを見ていくことにしましょう。  たとえばあなたが6年前に5000万円で買ったマンションを、平成11年中に3000万円で売って、新たに3000万円の住宅ローンを組んで少し広めのマンションを買ったとします。  このケースでの譲渡損失額は、2000万円(実際の税法上の計算ではもっと少ない)になります。そこでこの2000万円の損失を、通算4年間にわたって繰り越しながら所得税と住民税から差し引いていきます。  ただし、住民税の控除については2年目からの適用になりますので、1年目は所得税のみの控除になり、2年目から4年間が適用期間になります。  つまり、譲渡損失の繰越控除分だけでいえば、1年目は所得税だけがゼロで、2年目から4年目までは所得税も住民税もゼロになり、5年目は住民税だけがゼロになるしくみです。  もちろん、新たに15年間のマイホームのローン控除も同時にスタートしているわけですから、5年目も所得税はゼロになり、6年目以降10年間にわたって毎年、限度額いっぱいの所得控除を受けることができます。  また、譲渡損失がさほど大きくないケースでは、4年間を待たずに、繰越損失額が途中でなくなってしまうこともあります。  このような年は、繰越控除額と住宅ローン控除額を合計して、その年の所得から控除することができますので、税金はゼロになります。  ということは、繰越控除だけで所得税がゼロになる年は、新たに取得したマイホームの住宅ローン減税の効果はないということになります。  ところで、今回新設された住宅ローン控除制度は、あくまでも毎年あなたの納める税金の範囲内で実施されるものです。したがって、あなたの納めるべき税金が多ければ多いほど、また、譲渡の損失額が多ければ多いほど、減税効果が上がるということになります。  住宅ローン控除の条件とあわせて、どの控除制度が利用できるか、あらかじめ確認しておいてください。

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