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社運を賭けた挑戦

2018年7月15日「日曜日」更新の日記

2018-07-15の日記のIMAGE
1件あたりの受注額は最高3000万円であった。過去の実績を考え合わせるとかなりな無理があったようである。業界の1部からは「駆け出しの日崎がこの大工事を果たせるのか……」などという陰口も聞かれたそうだ。それだけに昭登にとっては社運を賭けた挑戦となった。建設工事には契約の際、引き渡し遅延に対しての違約金についての条文が、特例事項として定められている。とくに、この澱粉工場の場合、工事が遅れると原料のジャガイモが腐ってしまうという問題があったので、その条文は一般よりも厳しかった。もし完成が遅れれば、会社は違約金として利益分をそっくりもっていかれることになる。受注した会社は、これによって膨大な負債を抱え込み、悪くすれば倒産に追い込まれることになる。昭登にとっても過去の実績、社運、人生をも投入した大きな賭けであったのである。寝食を忘れた昭登の生活が始まった。帯広から浦幌の現場まで60キロ、昭登は夜明けとともに車で家を出て、終日現場で指揮を取った。電気工、鉄筋工、配管工などとテントの中に泊まり込むこともしばしばあった。社長の真摯な姿は、社員、下請けの人々の士気を上げ、工事は計画どおり順調に進んでいった。

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