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個々には問題がなくても、怖いのは複合汚染

2018年8月25日「土曜日」更新の日記

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住まいのなかで化学物質を放出するものは、建材や家具のほかにもたくさんあります。蚊取り剤やスプレーなどの殺虫剤、衣類やトイレの防虫剤などもそうです。東京都が1990年度と91年度に、殺虫剤を使ったあとの室内濃度を調査したところ、使用直後の濃度は高く、そのあとしだいに低下するものの、1~2日間は成分が残留することがわかりました。殺虫剤は、有機リン系の農薬と同じ成分です。行政やメーカーでは、「使用している化学物質の量は人体に影響のない範囲」と異口同音に弁明しますが、個々では人体に害のない程度の量であっても、住宅本体や多くの生活用品に使われていれば、それらが合計されれば予想以上の量になるはずです。とくに怖いのは、化学物質が複合して起こる問題で、一種類のガスを排除規制するだけでは健康への配慮は十分とはいえないのです。アメリカでは、コピー機や建材から発生した炭化水素などの汚染物質が蛍光灯の光と光化学反応を起こして、目の痛みの原因となった例もあるのです。それでなくとも、一般に日本の行政は、消費者の安全よりは産業の保護に視点が置かれています。ホルムアルデヒドの基準値が設定されたのも、先進国中もっとも遅く、人体に悪影響を与える建材として一時騒がれたアスベスト(石綿)も、カラーベストの瓦などには禁止せずに使い続けてきているのですから、化学物質による汚染は今後も起こりうるでしょう。実際に、ホルマリンは塗料にも含まれていますし、ノンホルマリンといっている商品でも、ホルムアルデヒドがゼロなのではなく、ホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンは使っていないのだ、という詭弁があったりもするのです。

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