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退去時修理負担ゼロ・なぜ?

2018年10月2日「火曜日」更新の日記

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商売の世界はきびしい。仕事をくれる人が上得意様であり、儲けさせてくれる人がお客様である。賃貸業の世界では、家主(地主)さんが上得意であり、かつお客様である。もし借り手の肩を持ちすぎて、家主の印象を悪くしたら、そのうち仕事がこなくなる。この法則を徹底して叩き込まれるから、新入りは退去人から修繕費を取りたがり、できるだけオーナーの負担を軽くしようと画策する。会社のトップもオーナーが大事と思うから、社員の姿勢を黙って追認する。ところが時代の波は逆に流れて、消費者負担を無くす方向にあるから、摩擦が起こり、ハンドルはぎしぎし音を立てる。規制緩和で借主が目覚めたせいもあるが、消費者契約法の風もぶんぶん吹いて、借主に追風となる。それでは、何故賃貸の世界では、退去の時に修繕費を取れなくなったのだろうか。判例とかの実務を知らない方々の考えは除外して、業界に生きるプロとして考えてみたいと思う。まず第一の理由は、部屋を貸す対価として、高い貸料をもらって貸しているから。貸すということは使うことを前提にし、使えば汚れも出る。多少の損傷が出ても、当たり前である。賃貸期間は2年間が多いが、これは日本的で多少の無理もある。米国は6ヵ月単位が多いし、西欧では季節ごと、3ヵ月の契約もある。これを縮めればマンスリーとなり、更に短くすればウィークリーとなり、ホテルと変わらなくなる。つまり、修理費ゼロの構図。経済行為は「利益の帰する所に損失も帰する」。昔の住宅難や食糧難の時代に、持てる者の強みで畳代や壁クロス代を敷金から差し引いたが、昔のやり方は不公平となった。建物は10年で老化が始まり、30年で取り壊しとなる。つまり、使っても使わなくとも、日々損傷し弱体化する。だから、入居者に損耗責任を押しつけるのはおかしい。そうでなくても、建物は完璧でないし、良い材料を使っているとは限らない。工法も同じ。むしろ家主は「こんな建物を高賃料で使ってくれてありがとう」と心の中で感謝すべきもの。家主の修繕積立金は、使うためにあると思った方が良い。プロから言えば、建築代が7年や15年の賃料で元がとれる商売は、儲かりすぎて楽なもの。かといって、アパマンは大事な資産。現場では管理業者はどうするのか?「長く住んでありがとうございました。ていねいに使ってもキズや汚れはありますから、クリーニング代を少々いただきましよう」…と言えば、家主さんも納得してくれるはず。

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