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間取りと人間考

2018年10月8日「月曜日」更新の日記

2018-10-08の日記のIMAGE
<情緒形成に大きく影響――生活の一部から人の“質”の問題へ>生物は環境に生き、動物は環境に左右され、人間も同様に環境によって育つ。それ故、無頓着に何も考えないで放置すれば、人間は動物と同じで悪く育ってしまう。弱い者を殺し、女性を虐待し、男を嫌い、他人は殺傷する。過激な受験競争をあおり、他人と遊ぶことをしないで一人パソコンに向かえば、人間が動物化していくのは当然である。ところが人間には理性があるから、知恵さえ出せば情緒豊かな人間を育てることはできる。その一つの好例が、毎日何気なく使っている「広いリビング」にある。私は千葉県という空の玄関口に住んでいるので、まわりには外国人も多く、何人かの友人を持っている。その中で好ましいのは台湾の人で、心豊かで明るい人が多い。ものの見方、考え方も常識的で肯定的といえるし、日本人を公平に友好的に評価してくれるのは、この人達をおいて他にない。なぜこんな立派な人達が育ったのか、私は不思議に思っていたが、何回か台湾を訪問しているうちに、やっとその秘密が解った。彼等の住まいには「広いリビングがあり、そこに家族が集まり、親類が集まり、食事をし、遊びもする」。他の用途に優先して前面に配置されるその空間は、生活の場であると共に交友の場であり、教育の場なのである。老人は孫を教育し、知恵を授ける。社会のルールと協調はそこで教えられ、たとえ子供でも麻雀で負ければきっちりと払わされる。良きにつけ悪しきにつけ、子供はそこで教育される。このように考えれば、住宅の間取りがどれだけ人間に影響を与えるかが解る。間取りが人間の情緒形成に影響を与えるとすれば、私達は、重要な職に就いているともいえる。例えば、独身用の1K。余りに質素で狭い部屋で我慢すると、消極的な人間に育つ。中には6畳に夫婦2人というのもある。仲良くするには便利な広さだが、結局は別れていく例が多い。2DKに親子4人という例もあるが、当然子供2人は合部屋となるから、我慢強く思いやりのある子供が育ってほほえましい。反対に夫婦2人で3DKに住む人もいるが、余裕と考えるのは他人の浅はかさで、内実は夫婦仲が悪かったり、わがままだったりする。今まで間取りは生活の一端だったが、今後は社会の中での質の問題となる。別に他人の生活に干渉するわけではないが、部屋の間取りも人間に大きな影響を与えるように思う。

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