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誇り高き一杯のコーヒー

2018年10月11日「木曜日」更新の日記

2018-10-11の日記のIMAGE
<悩みを解決する魔法の妙薬――飲むと思い出す「育ての師」の顔>仕事をする上で、師を持てることほど喜ばしいものはない。特に難しい仕事や昨今のように目まぐるしく価値観の変わる世の中では、尚さらである。どんな人もいつも順調とは限らず、時には迷い苦しむこともあるが、そんな時、道を説いてくれたり暗示を与えてくれる師がいると、心の支えとなり心強い。それほど、師を得ることは難しいといえる。休日の朝になると、私は小さな庭にイスとテーブルを持ち出し、一杯のコーヒーでくつろぐ。東京湾が近いのでいくらか潮の香りがするが、私は袋詰めのコーヒーに鼻を近づけ、じっくり臭いをかぐ。このコーヒーは特別なブランド品で、今は無名だが、いずれは世界の一級品に互す可能性がある。東の地、アジアの中国産。産地は雲南省である。プロのコーヒー店主に試飲してもらったら、「すごく上品な味だけど、軽いですね」というお墨付き。プーンと鼻につく臭いはまろやかで強く、飲んでは苦みがなく軽い。気品のある深い味というべきだろうか。こんなコーヒーが中国から産出されるとは、知る人は少ない。たった一杯のコーヒーに蜂蜜を少し入れ、私は味わいながらゆっくりと、時間をかけて飲む。そうすると、これを育てた師の顔が浮かび、ご苦労を思い感謝する。師は84歳の高齢でありながら、毎日仕事に熱中し、困った人の相談にのり、海外の五大都市で巨大な事業をやり、飛び回っている。体が幾つあっても足りない忙しさだが、その上に学校を運営して中国人に日本語を教え、日本人に中国参入のコツを伝授する。それだけの事業をやりながら、雲南省のコーヒーを見つけ出し、地元で生産を指導しながら、昨年やっとコーヒ上豆の焙煎に成功し、自社名の製品で売り出した。師は実業家であり、教師であり、文学者であり、文明批評家であり、料理の先生であり、株式のアナリストであり、国際文化経済促進の功労者でもある。お金儲けの神様でありながら、人徳を備え、いばらず、どんな難しい質問にもたちどころに、しかも味の深い哲学で答えてくれる。超人的というか深遠というか、計り知れない英智を感じる。それでいて、大学生に接する教授のように、私達にはやさしく清々しい。そんな師の門をくぐれるのも、千葉という好立地で生活しているからで、運がいいと思う。そんなわけで、この一杯のコーヒーは何百杯分の量に匹敵し、大金を出しても買えない価値がある。私にとっては悩みを解決してくれる魔法の妙薬でもある。

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