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トレンドで左右されるバーチャル価格

2018年12月19日「水曜日」更新の日記

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それではバーチャル不動産の価格はどのようにして決まっていくのでしょうか。不動産が金融とつながったことから、バーチャル不動産の価格は限りなく株式や債券のような金融マーケットの動き方と似た動きをするようになってきました。つまり、比較的短期間で上昇と下降を繰り返すような動き方です。今までのリアル不動産は戦後の一貫した上昇局面からバブルの崩壊、その後の一時的なファンドバブルでの上昇から一転下落を続ける構図にありました。賃料が今後どんどん上昇(小さく)していけば、取得できる予算れば、キャップレートをどんどん緩く「マーケットのトレンドが上昇局面であなどでいくらでも変動するようになってマーケットの状況や今後の取り組み方針ヤップレートも先ほど説明したように、不動産取得にあたって投資家が使うということは、ちょっとした思惑、疑念、噂の類まであらゆる要素が価格に反映されやすい、つまりバーチャルに価格が動いていく世界になるということです。投資家からのプレッシャーもうひとつ忘れてはならないのが、投資家からのプレッシャーです。バーチャル不動産の多くがバックに投資家を抱えています。投資家にもいろいろなタイプがいます。中長期にわたって物件を保有し、その運用益をたっぷりと享受して出口ではそこそこの価格で売却できれば良しとする投資家、あるいは短期で高利回りの不動産(つまり物件的には価値の低い不動産)をなるべく安く仕入れてテナントの埋め合わせや簡易なリノベーションなど多少のブラッシュアップを施して短期間のうちに出口で売り抜けて網取りをすることを好む投資家などさまざまです。運用を任されている運用会社は大変です。投資家の設定する投資ルールを順守しつつ、定められた期間内に予算を消化しないとならないからです。しかもマーケットは活況になればなったで競合が激しくなり、なかなか思うようには物件を取得できなくなってしまいます。そこでどうしても数字上の無理をする。辻褄を合わせようとする。エクセルシート上での数字のお遊びは難しくないのですが、これにリアルな不動産が実際についてくるのかと言えば話が違います。以前、不動産ファンド会社の開発案件のミーティングに出席した時のこと。激しい入札を勝ち抜くのにみんなでアイデアを巡らしていたところ、ある若手社員が地下フロアの想定賃料を月坪4万2000円にしようと言い出しました。ドライエリアがあって採光がとれるので、地上階に近い値段がとれるのではという主張です。私は三井不動産時代を通じてオフィスビル事業には長らく携わってきましたが、地下フロアの賃料で3万円を超える値付けの経験がありませんでした。しばしオブザーバーという立場を忘れて、「ありえないでしょう。靴を持ってテナント先に営業行ったことがないのなら、まずは靴底減らして歩き廻ってごらんよ」と、思わず憎まれ口をたたいてしまったのでした。しかし、このことはともかく、どうしても投資家のプレッシャーにより無理をして買う、価格にはとりあえず目をつぶってでも与えられたノルマを果たそうとするあまりそこから導き出される数字と現実=リアルな世界との乖離が蔽い難いものとなってしまうのも、このバーチャル不動産の実態なのです。

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