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リアル不動産は、バーチャル不動産についていけるのか

2018年12月20日「木曜日」更新の日記

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現在のアベノミクスをはじめとしたさまざまな景気刺激策により、とりあえずはREITや大手不動産会社には潤沢な資金が流れ込み、投資口価格や不動産会社の株価が大幅に上がる効果はあったようです。これらの支援を受けて大手不動産会社は、開発用地の取得や分譲マンションの建設を増やしたり、REITは物件の新規取得を大幅に増加させています。REITの配当利回りが2%台になったのはファンドバブル以来。またこれらの動きに後押しされて一般の不動産マーケットでも不動産取引量の増加や一部では価格の上昇もみられるようになってきました。さて、投資利回りは先ほどもご説明しましたように、東京都心では4%から最近では4%を切る動きも現実化しています。しかし、昨年と比較してオフィスなどの賃貸資産の稼働率や平均賃料が大幅に上昇したといったデータは、一部を除いていまだに顕在化されていません。それでは今後の日本の不動産マーケットはどのようになっていくのでしょうか。これには2つのシナリオが考えられます。ひとつ目は、バーチャル不動産が牽引した投資利回りの縮小やREIT価格の上昇、不動産会社株価の上昇といった事象に、次第にリアル不動産がついていくというシナリオです。この現象は、実は2005年から2007年頃に生じたファンドバブルの時のストーリーでした。当時は好調な世界経済のもと日本の輸出は大幅に伸び、関連する企業のオフィスニーズが発生。2003年問題をクリアしてむしろ払底気味だったオフィスの供給とあいまってオフィスマーケットは空室率の大幅な低下、一部ビルでの賃料の上昇という局面につながったのでした。2つ目のシナリオは、こうした金融による演出に実体の経済が追いつかないことによるマーケットの反転です。現在のキャップレートの低下はあくまでも先行きの経済見通しに対する楽観的な見方が前提となっています。ところが世界を見渡してみると、国外では米国経済の足踏み、中国をはじめとした新興国経済の減速、韓国経済の不調、国内では成長戦略による内需拡大が本当に緒につくのか、消費増税によってふたたび消費が落ち込む可能性が取りざたされる中、不安定な要素には事欠きません。仮にバーチャルで膨れ上がった期待値にリアルが追いつかない事態となると、バーチャル不動産は一気に下落するというリスクの顕在化が懸念されます。いわゆる過剰流動性の発生です。平成バブルの時と同じシナリオが、当時とは比べ物にならないスピードで一気に押し寄せるのです。なぜなら平成バブルの時と違い、今や不動産の多くがペーパー化、バーチャル世界の仲間入りを果たしているのですから、これが三度目のバブル崩壊の引き金になる危険性を持っていると言えるでしょう。

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