家は値上がりする時代ではないから
2019年3月31日「日曜日」更新の日記
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- "家が値上がりしたかつての時代は、とりあえずは今買える価格のものや、当面住めればよいという考えでの選択でよかったのです。
しかし、これからの時代は、不動産を持っているだけでその価値が上がるという様な時勢ではなくなりました。
土地を持ってそこに建物を建てて、利回りがいくらだから価格はこのくらい、という欧米式の「収益還元法」の時代に入りましたから、土地そのものが値上がりするのではなく、土地をいかに活用するかという事業努力に価値がでるのです。
しかし、自宅は事業ではありません。「利回り」をはじいたり、値上がりを考える時代ではないのです。
そこで大切なことは、住まいとしてのスペースはいかに快適性があるか、さらには、そこにいかに長く住まえるかという考えで、売れば確実に損がでる時代なので、一生住むつもりで買わなければならないということです。間違っても、売って儲けようと考えてはなりません。
昔は家を持つと、それ自体が値上がりして、物価上昇の影響をメリットとしてとらえることができました。
私もあの時代は、家で資産を増やすことを説いてきました。しかし、残念ながらいまはその様な考えは通用はしなくなったのです。
あらゆる制度、すなわち税制や住宅対策、土地の需給関係がかわってしまい、不動産が値上がりする時代ではないのです。もちろん、将来インフレにでもなって、あらゆるものが値上がりする時代には、その値上がり分くらいは補填できるかも知れません。
しかし、家そのものが、日本の少子化、高齢化で、需給バランスが「家が足りない」という時代ではなくなりました。
それどころか、企業は値下がりした土地を、どう処分するか、時価会計の中で「土地の含み損」をいかに処理するかで苦労する時代になっているので、家で資産を増やそうということだけは考えない方がよいでしょう。
家はあくまでも住むためのものと割り切らなければなりません。"
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