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自己使用なら正当事由と認められるか

2019年6月13日「木曜日」更新の日記

2019-06-13の日記のIMAGE
私は七二歳になる老女です。長男夫婦と孫たち五入と一緒に暮していましたが、長男が病気で働けなくなりました。現在、住んでいる家は二〇年前建てられた三間の家屋です。そこで他入に貸してある店舗を明け渡してもらい、日用品等を販売して生計を立てたいと考え解約の申入れをしました。相手は酒販売店を出し、その家屋は主に使用入の宿泊所と倉庫に使用しています。別に説明したとおり、正当事由がなければ、賃貸人は、更新拒絶や解約の申入れができないことになっています。その正当事由とは、借家法は「自ら使用することを必要とする場合その他正当の事由ある場合」となっています二条ノ二)。法文の上から見ると、賃貸人が、その貸している家を自分で使用したいときには、それ自体が正当の事由に当たるのだととれます。事実、この法律が作られたときに、立法当局は、「大体において正当な場合」として、自分の家族または親族に使用させる場合が、これに当たるとしていたのです。しかし、昭和一九年の大審院の判例によって、単に賃貸人が、自ら使用する必要があると主張した、それ自体では正当事由は認めないとしました。賃貸人と賃借人双方のこの建物に対する利害得失を比較考慮することはもちろん、公益上、社会上(住宅事情など)その他いろいろの事情も考えて判断しなければならないとし、この考え方は基本的に最高裁になってからも引き継がれています。ですから、自分が使用する必要があるからというだけでは正当事由があるとはいえないのです。賃借人の事情も考慮されます。

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