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個入用店舗が会社組織に変更されたが②

2019年6月24日「月曜日」更新の日記

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代表的なものをあげれば、つぎのようなものがあります。①家屋の賃借当初から階下の店舗でミシンの個入営業をしていたが、税金対策のため、株式会社組織にしたものであって、会社の株主は、賃借人の家族、親族の名を借りたにすぎず、実際の出資はすべて賃借人がしたものであって、会社の実権はすべて賃借人が掌握し、その営業は賃借人の個人企業時代と実質的になんらの変更がなく、その従業員、店舗の使用状況も同一である等の場合には、賃貸人の承諾なくして賃借家屋を会社に使用させていても、賃貴人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるから、賃貸人に民法六一二条二項による解除権は発生しないとした事例(最高裁・昭和三九・一一・一九判決、最民一八・九・一九〇〇)。②個人企業を会社組織に改めて個人が賃借している土地を会社に使用させた場合に、背信行為と認めるに足りない特段の事情がある場合には民法六一二条による解除権は発生しないとした事例(最高裁・昭和四三・九・一七判決、判時五二六号五〇頁)。この二つの判例で、この問題についての裁判所の基本的な考え方がわかると思います。一口でいうと、賃借物の使用形態に質的な変化がもたらされているか否かが判断の分かれ目になっているということです。今、少し学説を見てみますと、形式的に営業形態が変更した場合、原則として「特段の事情」が存するとされても、その後において、株式の移転、賃借人の役員辞任等によって会社の実権が第三者に移行したときはどのように考えるべきか、の間題があります。判例の中には、そのときから、賃貸借契約を解除することができるとしたものがあることに注意してください(大阪高裁・昭和四二・三・三〇判決、判時四八九号五四頁)。おたずねのケースは、まず会社組織になって、店舗使用の実態が質的に変わったかどうか、A君が依然事実上の主宰者として営業しているのかどうかを調査して結論を出すことです。使用の実態と営業の実体にメスを入れてみましょう。

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