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入浜権

2019年10月4日「金曜日」更新の日記

2019-10-04の日記のIMAGE
こぬ人をまつぼの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつこれは小倉百人一首で親しまれた歌であり,淡路島松帆浦での製塩を詠みこんでいる。長唄にも「官女」という曲があり,都落ちした平家の官女が桶をかついで海水を汲む風祭が歌われている。その舞台となった高松や坂出の塩田もつぶされ,塩はすべてイオン交換樹脂被膜電気透析法とかいう味気のない製法で工場生産となり、塩の風味は失われてしまった。それはともかく、昔は海水を汲み、塩を焼き、そして塩を焼くための流木を海辺で集めなければならず,このようにして海辺を使用する権利を,幕府なり藩から買ったり,借りたりして認めさせてきた。これは一種の入会権であるが,特に入浜権ともいわれていた。そして入会権の場合,農業肥料のための刈敷を収集する必要がなくなっても,その権利に基づいて植林するなどという形で生き続けているように、海辺で藻塩を焼く必要がなくなっても,いったん浜辺で確立した権利は消滅しない。最近,東京電力が新潟県柏崎市の海辺に原子力発電所の建築工事の着工をしようとしたとき、地元住民がそこにわれわれの入浜権があるとして、住民の入浜権利用の妨害排除という民事訴訟を起こした例がある。

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