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不動産証券化のアレンジとプレイスメント

2020年1月24日「金曜日」更新の日記

2020-01-24の日記のIMAGE
不動産証券化の基本部分は、(1)不動産を元の所有者(オリジネーター)から証券発行体のための器であるSPV(SpecialPurposeVehicle)へ移して、SPVから証券を発行させ(証券化アレンジ)、(2)当該証券を投資家に販売すること(プレイスメント)である。この証券化のアレンジとプレイスメント機能を担うのは、インベストメントバンクである。証券化アレンジの第一のポイントは、投資家のニーズを正確に把握した上で、不動産の生み出すキャッシュフローを的確に予測し、投資家ニーズに合致した証券に仕立て上げることである(投資家ニーズの把握とキャッシュフロー・エンジニアリング)。投資家のニーズから外れてしまっていては、いくら証券化商品を作ったところで、結局プレイスメントができずに無意味となるし、キャッシュフロー・エンジニアリングの能力が十分でなければ、様々な投資家ニーズに対応したきめ細かな商品作り(証券を優先・劣後部分に分けたり、さらに優先部分を複数のリスク・リターンのグループに分けること等)が技術的に不可能となるからである。証券化アレンジの第二のポイントは、オリジネーター側にも資金調達の条件面等でメリットのある形に仕上げることである(オリジネーターのメリット)。これがあって初めて、オリジネーターにとって、複数の資金調達の方法(単純売却、既存借入金の借り換え等)の中から証券化を選択する動機づけが与えられる。このように、不動産証券化のアレンジのためには、投資家ニーズの把握、キャッシュフロー・エンジニアリングの技術、オリジネーターのメリットへの配慮といった、金融的発想・思考に裏づけられた業務遂行能力が要求される。このような意味で、不動産証券化は、不動産業務の金融業務化を促す契機になるものと考えられる。

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