管理人はだれ！？

2020年1月27日「月曜日」更新の日記

プロパティ・マネジメントとは、建物の維持管理や日常的なオペレーションを行う業務である。現在この機能は賃貸ビル事業者自身又は関連のビル管理会社によって担われているが、これまではややもすれば「クレーム処理」という後ろ向きな捉え方がなされ、顧客満足度ひいてはビルの収益力を高めるという積極的役割を担っているという捉え方が十分になされていなかった。また、賃貸ビル事業者自身や関連ビル管理会社がプロパティ・マネジメントを行っている場合には、そのサービス内容とコストのバランスが厳しくチェックされていない場合も多かった。しかし、ビルの所有が投資家によって担われるようになると、従来、曖昧であったサービスのコストパフォーマンスが市場の物差しで厳密に計られるようになる。その結果、自社あるいは親会社が建てた物件についてはそのグループで管理も行うといった慣行が通用しなくなる。しかしその反面、市場の要求レベルを満たした事業者にとっては、他社物件の管理受託も可能になり、ビジネスチャンスが拡大することになる。上記のような環境変化に合わせて、発想および体質の転換ができた賃貸ビル事業者やビル管理会社等が、この分野の有力な担い手となるであろう。また、デベロッパーの中にも、この分野を強化するために、ビルメンテナンス会社の合併・買収を検討する動きもあり、今後、業界再編につながる可能性もある。