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スムーズに事が運ばない

2020年2月4日「火曜日」更新の日記

2020-02-04の日記のIMAGE
"パラブの運転する自家用車に乗って、私と編集部きっての家好きな部長は、イーストフィンチェリーにあるカーペット店に向かいました。ハムステッドの坂道には雪が積もっています。助手席にはよそ行き顔のラニも乗っています。 創業約二〇〇年のこのカーペット店をネットで見つけた私は、料金交渉も含め日本から何度も連絡を入れ、予算内のものである程度品定めをしていました。ところが店に入るなり、取り澄ました表情のマネージャーが電話とは違うサンプルを並べて、あなたの求めるものは予算の倍出さないと買えないと言うのです。 ポリエステルやアクリル素材のカーペットは毛玉ができやすいので、毛足の長いウール混のふわふわしたツイストカーペットにすると決めていました。しかも色は淡いサーモンピンク。 ロンドンで流行っているウッドフロアにしなかったのは、購入したフラットが最上階なので、階下へ足音が響くことを気にしたのと、とにかく温かみのある住まいを目指したからです。再三伝えていたにもかかわらずマネージャーは値引きできない高額のものか、毛足の短い硬いカーペットを勧めてきます。 パラブが店の奥から見つけてきたサンプル帳についても、ボスに聞かなければ価格が出せないの一点張り。さらに「クリスマス前はどこもメーカーは休みなんだ。しかもこの雪とくれば、ハムステッドまで配送できる人を探さなくてはいけない」とブツブツ。 あれほど事前に確認を入れたにもかかわらず、来店すると話が違う事が、イギリスではよくありがちです。仕方がないので注文は保留にして、他を当たる事に決めました。 それにしても旅行から買い物まで、イギリスではクリスマスを挟んで何かをするというのは、大変な事です。毎回冬の取材でB&Bを探すときも、嫌というほどあちこちで「クローズ(お休み)」と言われ、思い知らされてきたのですから。 ノースフィンチェリーにあるカーテンファクトリーでポールを見つけた後、パラブがランチを摂りましょうと提案してきました。近くのショッピングモールに車を停めると、若い人でにぎわういくつものレストランがありました。宗教の関係で食べられないものがあるかと心配し、何がいいかを尋ねると、案の定「私たちは肉は食べません」と、ラニが言います。「こちらの事より、あなたがたで好きな店を決めて下さい」という控えめな彼の物言いに、同じアジア人だなあと、親近感を覚えました。 結局、私たちはラニが勧めるバーガーショップに入ったのですが、メニューを決めたら、ここは私が払いますという申し出に再び驚きました。 カウンター前は混み合っていましたが、二人仲良く話しながら支払いの順番を待つ姿に、自己主張が当たり前のイギリスで、自分の娘と同世代の若いカップルの気遣いに頭が下がる思いでした。"

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