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移民労働者の歴史ロンドンにはなぜインド人が多いのか

2020年2月9日「日曜日」更新の日記

2020-02-09の日記のIMAGE
"移民大国として知られるイギリスですが、とりわけ多いのがインド人の移民やインド系イギリス人。近年行われた国勢調査によれば、ロンドンに住むインド人の移民数はおよそ四三万七〇〇〇人にも及ぶと発表されました。ロンドン全人口の五・七パーセントに当たります。 もちろんこれは、かつてインドがイギリスの植民地であったという歴史と深い関係があります。 一六〇〇年代、イギリスはインドの植民地化に力を注ぎました。英語教育の実施やイギリス的司法制度の導入、近代的な地制度の採用、鉄道や道路の整備、水路の建設など、インドの近代化を進める事でインドの伝統的な社会慣習や生活基盤を整えていったのです。 また一方で世界貿易が盛んに行われるようになったため、アジアとの貿易を独占的に行う特許会社「東インド会社」を設立。エリザベス女王が東インド会社にインドからの香辛料や絹の受け取り(輸入)を許可した事から、イギリスとインド間では貿易が盛んに行われるようになりました。 しかし、同時に船員不足にも悩まされる事になります。当時イギリスからインドへ渡る船旅は過酷で疲労が重なり、イギリス人船員たちの中には病気になる者が続出したのです。なかには航海中に命を落とす者も少なくはなく、その労働力の代行としてLascar(ラスカー)と呼ばれる船員がインドから多く雇われる事になりました。 ところがラスカーは短期契約が主なため、イギリスに到着してしまえば次の出航までインドに帰る事はできず、イギリスでの生活を余儀なくされたのです。 そんな彼らの苦境が心配され、一八五七年、外国人住宅「Limeh〇use(ライムハウス)」がオープンしました。ここは、船員たちの仮設住宅として活用され、徐々にロンドンに移り住む人が増えていきました。そうした理由から昔のインド人街というのは、港町に多かったのです。 その後、一九世紀にはイギリスがインド国内の領土を増やし、ついに統治国となりました。自ら仕事を求めて渡英するインド人も現れ、約四万人ものインド人がイギリスで暮らすようになり、そういった人々は、船員のみならず、学者や役人、事業家としても活躍したといいます。"

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