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主張は通す

2020年2月16日「日曜日」更新の日記

2020-02-16の日記のIMAGE
"店の前に停めた車で待っている、というラニとスタッフを残して店に入った私は、店主に購入したシャンデリアを改めて見せて、ネジを留め具もない事を確認してもらいま した。 ところが、中東系らしき浅黒い肌の彼は、返金はできないと言うのです。取り付けられないシャンデリアを押しつけられても困ると言う私を振り切り、最後には他の客と話しはじめる始末です。 困り果てた私がパラブに電話を入れた数分後、ドアを蹴破るような勢いで童顔のラニが店内に飛び込んできました。「返金できないのなら、今すぐ取り付け金具を持ってきなさい!」 彼女の剣幕に接客をやめた店主は、「この方にも散々説明したが、これはこういうものなんだ」と、極めて穏やかに対応しようとします。するとラニは、じゃあ、どういうふうにこの欠陥シャンデリアを施工するのか、今すぐ私の目の前でやってみろと、いきり立っています。 店主も顔を真っ赤にし、「それはこっちの問題ではない」と怒鳴り返しました。ドスの利いたその声に、シャンデリア一つで暴力沙汰に発展したらどうしようと私は震え上がりました。外で待っているスタッフを呼びに行くか、パラブに電話をするべきか、大声を張り上げる二人を前にパニック状態です。「ラニは一歩も引かない店主に、それならこの店の欠陥シャンデリアを全部天井から外 て留め具があるか見せろと迫りました。けれどそれはできない。他の商品も在庫がないから見せられないと、店主はしだいにうろたえ出し、勢いを増したラニは、オーナーを出せ、今すぐオーナーの連絡先を教えろと机を叩きます。 追いつめられた店主は、この日本人はカードで買った。クリスマスで社長がいないから返金できないと、店の奥に引っ込もうとしました。 その途端、彼女は店内にいた客に向かって、「欠陥商品を平気で売っているこの店で買い物するのはバカ者だけよ」と叫んだのです。恥も外聞もなく自分の言い分を主張し続ける彼女に、多くの移民が暮らすロンドンでは、食い違いが起きれば相手を言い負かすくらいの強さがなければ、こちらの言い分も通らないことを教えられました。とはいえ、こういう事は日常茶飯事なのかと、事態に慣れない私は身の縮まる思い。一部始終を聞いていた客は、ぞろぞろと出口に向かって歩き出しました。今すぐ一七 五ポンド返金しろと迫る彼女の剣幕に、店主は渋々小切手を切ると言い出しました。私とラニは換金できるかわからない小切手を拒否し、「キャッシュオンリー」と、声を揃えました。 銀行に行かないと現金がないと最初は渋っていたものの、警察、シティオフィス、裁判所に訴えるとわめき続ける彼女に最後は頭を抱えて、金庫から一七五ポンドの現金を持って来たのです。 私はしかと現金を受け取りましたが、金を返したから出ていってくれと言う店主に、彼女はそれでもオーナーの名前と連絡先を教えろと、店を出るまで怒りは収まりませんでした。"

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