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住みながらの工事は大変だけど楽しい

2020年2月19日「水曜日」更新の日記

2020-02-19の日記のIMAGE
"1〇代の頃のことです。二DKの借地権付中古マンションに「住みながらリフォーム」したときには浴室まで壊したため、足かけ一年かかりました。狭い家に家財道具はぎっしりで、毎日が荷物移動の連続と、最後は私も職人さんも疲労困嬢。ああいう思いは二度としたくないというのが本音でしたが、まさかロンドンで同じ状況に陥るとは思ってもみませんでした。ロンドンでの私とスタッフの一日は朝六時の起床からはじまります。シャワーを浴び、着替えを済ませると朝食。リビングは作り付けのクローゼットの扉などが作業台の上に置いてあるため、おいそれと近づけません。 リビングの奥にある、三畳ほどのキッチンに寄せたテーブルでコーヒーを淹れ、ハムステッド駅の近くにある朝早くから開いているベーカリーまで誰かが走り、できたての クロワッサンを買ってきます。雪の降るロンドンの冬は七時といえども真っ暗で、疲れや時差ボケなどで動作ものろくなりがちです。 キッチンにはパラブたちが休憩時に飲むために買ってきた紅茶やコーヒーを置いてあるので、私は日本の茶菓子感覚でビスケットやチョコレートをお茶のそばに置いておき ます。 ところが何度勧めても、食べ物の好き嫌いが激しい彼らはあまり手を付けません。冷蔵庫を開けると、彼らの牛乳やまとめ買いしたコーラまでがちゃっかり冷やしてありますから、彼らの物が置いてある場所と違う段に、私たちの飲み物は入れるようにしまし た。八時にパラブは弟や家具職人のおじさんを伴いやって来ます。 今日の工程と私たちの予定をすり合わせながら、スタッフが淹れたお茶を飲むのが習慣でしたが、ある日、私たちが早朝からハムステッドの街を撮影して帰ってくると、渡してあった鍵で先に家に入っていたパラブがキッチンに立って、ちょうどコーヒーを淹れている最中でした。いつものように私の食器棚から取り出した白いカップには、温かい湯気が漂っていま す。「おはよう。コーヒー飲む?」 どちらが家主かわからないくらい、このキッチンに慣れ親しんだパラブは、穏やかな笑顔でどこに行っていたのかと尋ねてきました。 すっかり彼に馴染んだスタッフと雑談を交わした後、パラブは家具職人がドアを削る電動ノコギリがぶれないよう、板を押さえたり、弟と一緒にスイッチの付け替えをしたりと、二時間ほど作業をし、その後、またみんなでお茶を飲みます。 何か部品が足りなくなり、パラブがフィンチェリーロードの「ホームベース」などに材料の調達に出かけるのも午前中のこの時間帯です。"

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