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時代の変化

2020年2月28日「金曜日」更新の日記

2020-02-28の日記のIMAGE
"駅で私たちを待っていた太っちょニックの車でシルビアおばあさんの住む村へ。マーケットで会った彼女は、小さな着せ込み人形を作って細々と販売している。想像どおりの簡素なバンガローで人形作りのプロセスなどを聞く。農家の下働きだった女性の、ささやかだけど強い情熱に打たれる。七歳で初めて編んだというオレンジ色のベレー帽はさぞ素敵だったはずだ。現在夫と二人暮らし。ふと、スコットランドの小さなコテージに暮らしていた老夫婦を思い出した。彼らは村はずれの丘で、二人で助け合って細々と年金暮らしをしていた。耳が遠いシルビアおばあさんの夫は、妻のする事に反対はしない。日本の百貨店で開催される英国フェアに誘うと、空港には誰か迎えに来てくれるのかと心配する。友人と一緒なら怖くないけれど、と意欲も見せる。素朴なシルビアは公営住宅の住人。月六万円の家賃を払っている。 貧しくても、それなりに生きている。生きられるんだ。 帰り、サイレンセスター郊外のレイクランドという開発地に立ち寄る。池の周辺に立ち並ぶ、作られたコッツウォルズ風住宅群は魅力ゼロ。ロンドンの金持ちがここを買うのにハーフミリオン(七五〇〇万円)も出すというが、信じ難い。全てが現代風テーマパークにしか見えない。最近、イギリスらしからぬ光景を見るたび、時代の変化を感じる。三〇年前にはなかった高層マンションを見るたび、胸が苦しくなる。部長と一足先にロンドンに戻る。ハムステッドの丘のふもとで日用品を買おうとしたが、スーパー「セインズベリー」は休み。バスに乗ってベルサイズパーク駅近くで降りる事に。夕食に前々から気になっていた日本語メニューのチャイニーズレストランに入る。量が多い。団体客を集めたいと張り切る中国人マネージャーと名刺交換する。イギリスを旅する日本人中高年に、中華を好む人は多い。店もトイレも清潔で、しかも近代ホテルのそばにあるここはいい。 ロザリンヒルの坂を上るとハムステッドのハイストリートがはじまる。隣の駅との位置関係がやっとわかった。商店街のはじまるあたりからビレッジに入っていくと、ハムステッドにはレストランがたくさんある事もわかった。ロンドン北部は全くの初心者だ。明日パラブと会うのが憂鬱。けれど疲れが溜まっていたのか、家に戻るとすぐに眠りに落ちた。"

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