部屋探しは重要!快適な生活を送る方法!あたらしくらし

トップ > 令和2年3月> 7日

家を小さく建て替える(2)

2020年3月7日「土曜日」更新の日記

2020-03-07の日記のIMAGE
次に、京子さんが十数年後は現在の会社を退職するわけだから、自分の人生設計をどう組み立てるかについても、きちんと計画し、見つめ直した。十数年先だから、自分のことはなんとかなると思いつつも、いまきちんと、自分のライフプランを見直した上で、母娘が共に生活するいちばんいい方法を考えた。その結果、母親の生活空間は階下、京子さんの生活空間は二階と分離し、共有部分は台所と食堂と浴室のみとした。したがって京子さんの二階部分には寝室に洗面所があり、化粧室にもなっている。トイレは階下まで行かなくてもいいように、自分専用をつくった。浴室を二つにするかどうかは迷ったけれど、母娘であり、そこまで別にすることはない、むしろ浴室を一つにすることで、母親とのスキンシップを深めるようにと配慮し図面のように、京子さんの二階部分は寝室が広く、隣に予備室もあって、独立した京子さん用の住まいとなっている。クローゼットも京子さん専用があり、実に住み心地よくしてある。さていよいよ、古い家の取り壊しという段になって、母娘の衝突がたびたびあった。まず、庭の木には夫の思い出が刻まれていて、母親はあれもこれも残しておきたいと主張する。ところがこれまでの四分の一以下のスペースしか庭にはとれない現実では、母親の意向どおりに移しかえることは不可能。思いきるしか方法はない。京子さんは現状を母親に説明し、どうにか納得してもらった。さらに、道具との別れもあった。これは庭木よりも、母親にはつらいものだった。愛着のある花器や和服などの道具を三分の一に思いきらせるためには、母娘の間にかなりの忍耐と長い話しあいの時間が必要であった。家が新しくなるにあたっては、以前使っていた古い家具や道具との調和がとれにくいことを母親にこんこんと諭し、「思いきりよく、処分してください」としつこいほど頼みこんだ。母親としては断腸の思いであったと思われるが、塗の文机、本箱などは、下の娘さんの家にひきとられて、ほっとしたという。しかも、京子さんはフローリングも柱も床の間の木材も全室、すべて色見本の中で二番目に明度の高い明るい色にしたため、いままで使っていた道具類のシックな黒や茶色が、どの部屋にもマッチしなくなってしまったのだ。

このページの先頭へ