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親子でもケジメだけはつけておきたい

2020年3月10日「火曜日」更新の日記

2020-03-10の日記のIMAGE
ちょうど京子さんたちの家が完成したころ、妹さん一家が千葉の家を売って同じ敷地内に家を建てることになった。最初は妹さんの分の空き地は駐車場にして貸す計画にしていたが、妹さん家族の思ったよりも早い決断で後ろ側の土地に妹さんの家が建った。「家族が互いになじんだ土地で住めるようになったことは、京子さんにとっては心強い限りだ。会社の仕事で長く出張して家を空けても、スープのさめないところに、妹さんの家族がいるのだから、どんなにか心丈夫なことだろう。ただ、嫁いで家族がある妹さんには、母娘だからずるずると互いの生活を干渉しないようにと、いつも母親は気くばりしているという。京子さんとも、ウィークデーは朝食は共にするが、夕食は共にしないことに決めているる。そのかわり、休日は京子さんの用事がない限り、食事をつくったり、散歩に出たついでに食事を外で楽しんだり、日頃の淋しさをねぎらうように努力している。つかず、離れず、同じ家に住む母娘といえども、けじめをつけ、最低限のルールをつくって、互いに侵害しあわない、大人の母娘関係が成立していてうらやましい。
四〇代だからできた資金計画
京子さんに、「土地を売らないで家を改築するなんて、凄腕ね」と聞いたら、「とんで。もない、借金ばかりで建てた家ですよ、三〇年ローンを会社と住宅ローンと全国福祉年金基金と三ヵ所で借りたので、働けるだけ働かなければ、払いきれないですよ」という。しかし、たとえ管理職とはいえ、あとを引き継いでくれる子供もいないのに、三〇年ローン返済予定は厳しいなとちょっぴり老婆心を見せると、「なんとかなりますよ。もし支払いきれなければ、私ひとりなら、手放してもいいし、貸してもいいし、そこは考えないことにします」と、ケロッとした答えが返ってきた。「相続税だって延納の方法をとっているし、三ヵ所から借りたローンはやがて五〇代になる私には、ちょっとした賭けで冒険のように人は考えるかもしれないけど、四〇代だからこそ思いきりよく母の生活も計算に入れて決断できた」と京子さんは強調していた。この場合、一三〇坪近い土地を少し売却し、それを資本に母娘と妹家族の二世帯住宅を借金なしでつくることも考えられたとは思うけれど、多少無理はしても、庭を楽しみ、姉妹それぞれ独立した家屋をつくり、母娘が住み分けるというのも、いい選択ではないか。庭続きの戸別住宅。まったく理想的な住まい形態である。いま京子さんが資金の都合上できなくて悔いているのは床暖房だ。一階の食堂、台所と、母親の寝室とユーティリティ(作業空間)部門を床暖房にできなかったことを、住んでみて改めて残念に思っている。いずれ余裕ができたら、せめて食堂、台所部分だけでも、床暖房にしたいと願っているが、いまはぎりぎりの資金計画、果たしてそれを実現するのはいつの日のことか。「そんなに急いで完璧にしなくても、もっとよくしたいという目標を捨てず時間をかけて育てていけばいいのよ。楽しみはあとに回せということもあるし」と友人たちは口を揃えて勇気づけてくれるそうだ。

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